のろけ話にはさまれたくない 愛妻家、というのはどういうものだろうなというフェムトの言葉に、うつろな目をしていた絶望王はテーブルに突っ伏したくなった。
「えー、そんなの〜。やっぱりぃ〜? らぶらぶ、じゃなーい?」
「ふむ、らぶらぶ」
「そうそう、アタシとダーリン達みたいなー♥」
きゃー♥ と声を上げて身をよじらせるアリギュラ。
ここは十三王の間。堕落王と偏執王、そして間に挟まれて逃げそこねた絶望王以外の他の王の姿はない。みな、数時間前に音速猿もかくやというはやさで用事を思い出していた。
「僕とレオナルドは『らぶらぶ』していると思うがね?」
「そうねー、いっつもイチャイチャしてるもんねー。今日はアイツはどうしたのー?」
「妹への結婚祝いを出しに郵便局へ。『郵便局くらい一人でもいけますから』などというんだぞ。この僕を置いていくとはな」
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