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    kamo

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    kamo

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    🍺🍕
    (両片想いですが)🍺←🍕描写

    今日だけだから両片想いキデ。
    キースとディノ、2人のオフが久々に重なった日の、前日。一緒に楽しく過ごして夜になった。キースの家に行く事も考えたが……突然の変更でオフになったキースと違い、オスカーと約束していたディノの予定に合わせ、部屋に残っていた。

    ディノの「一緒に寝よう!」という発言により、自分のベッドが隣にあるにも関わらず、おねだりされては「仕方ねぇな」というキースの一言でキースのベッドに2人で寝る事になった。

    ディノのおねだりをいつもの如く断れないキースは、嬉しそうなディノが風呂を済ませる間にベッドメイキングをする。といっても、シーツを伸ばして布団を敷き直すだけだ。勝手知ったるディノの部屋に入って、枕を持つ。人の気配が無い事を確認してから枕を吸い、後悔する。自分のベッドに置くと、更に興奮した自分を落ち着けるためにトイレへ向かった。

    「何が仕方ねぇんだ……」シャワー室に入る前、ため息と共に部屋を去った後に聞こえた言葉。パンツを忘れたので取りに戻ろうとドアを開けようとして、結局風呂場へ向かった。
    いつ未来が変わるか分からない。なら、ノリで許されるうちに2人だけで一緒に寝たい。大人になってから一緒に寝る機会もなくなり、格好良くて魅力的なキースがいつ誰と付き合うかなど分からない。思い出をつくりたかった。
    嫌そうな顔をされても、どうしても一緒に寝たくて頼み込んだ。結局優しいキースは折れてくれる。「今日だけ、だから。」もう頼まないから、1日だけ許して欲しい。風呂に浸かって独りごちると、震えた声が風呂場に小さく響いた。

    ……………………

    キースと一緒じゃない任務が突然入った日をゆっくり思い出す。少し長い期間を予定されていた任務だったが、想像より早く帰れた。……キースはオフで家に帰っており、部屋に居なかった。寂しさを紛らわしたくてお酒を飲んでいたら、メンティーが驚く。笑って誤魔化して、一緒に食事をした。晩ご飯はピザとハンバーグを食べ、テレビを見ながらショコラを食べる。3人で楽しく夜を過ごすと、ジュニアのあくびを合図の様に解散する。それぞれシャワーを交代で入ると、外に出る予定だったフェイスは共有スペースにずっと居てくれた。
    「好きに過ごしてくれて良いんだぞ?」
    歳下で、しかもメンティーに気を使わせて申し訳ない気持ちもあり、明るく言う。本当は居てくれて助かるのだが、予定を変更してまで居させるのは心が痛む。
    「うん。好きに過ごしてるよ?」
    一瞬驚いてから、ニコリと微笑むフェイス。それでもディノの隠しきれない複雑そうな顔に、少し考えてから、フェイスは携帯を見せるためディノに更に近寄る。
    「ほら、これ。」
    お互いに距離が近い2人に嫉妬するキースが不在な事もあり、無意味に肩がピタリとくっつく。
    ディノは見せられる画面を覗き込むと、携帯の画面は女の子たちの通知で溢れ返っていた。
    「行かないのか?」
    女の子たちがこんなに待ってるのに、と呟くディノは、更に申し訳なさそうな声を出す。
    「今日は身内だけって聞いたのに、厄介な彼女たちが沢山来てるんだよね。相手するのは面倒だから、今日はお休み。」
    心底鬱陶しそうに言うフェイスは、今日を楽しみにしていた分、拗ねていた。
    「そっか。……俺の相手は良いんだ?」
    年相応の可愛らしいフェイスに癒やされながら、ふとした疑問を口にする。
    アハッと楽しげに笑った後、柔らかい声で続くディノは……と話すフェイスの声が遠くなる。
    宙に浮いている感覚に意識がもっていかれる。


    「フェイス?」
    つい先ほどまで夢に見ていた相手の名を呼ぶと、不機嫌な声音が返ってくる。
    「風呂で寝るな。」
    大好きな声と、この匂い。キースだ。
    キースが居ない日の夢を見ていたせいか、大好きな想い人だと気付くのが無意識に遅れてしまったらしい。
    「ごめん、キース。」
    キースに一緒に寝て欲しいと無理矢理取り付けた約束を嫌がられたショックで泣き疲れ、風呂場で寝てしまったらしい。
    知らぬ間についた温かい筋肉に支えられながら、キースが運んでくれていた。
    「俺が居ない所で泣くな。」
    苦しげに告げられた声は、あまりにも小さく。抱き上げられていなければ聞き逃していただろう。
    そんな事を言われると、自惚れてしまいそうになる。……だがキースやブラッドたちが泣く様な事があれば側に居たい気持ちも分かる。
    「ありがとう、
    そうさせてもらうな。」
    まさかキースへの謝罪で泣いていたとも言えず、これからは素直に甘える事を伝える。
    「おう。」
    キースから言って来たのに、照れながら上を向かれる。もう今日は一緒に寝なくても、この思い出だけで良いかもしれない。キースが嫌がる事をする俺にバチが当たったんだろう。
    「やっぱり、自分のベッドで寝るよ。髪も濡れてるし。」
    キースの部屋に行く前に通る自分の部屋で、そう伝える。一緒に居れるだけで幸せなのに、欲張りになり過ぎていた。
    「運んでくれてありがとな、キース。」
    キースに抱かれていた事が嬉しかった。迷惑をかけたのに、包み込まれる幸せが心を満たす。
    キースの腕からおりようと足を動かすと、なぜかキースの方にグッと体を引かれた。
    「のぼせてすぐ動くな。
    今日は俺が側で見張っててやる。

    後。髪を乾かさず寝るなんていつもしてんだ、今更気にしねぇよ。」
    寝る前に髪は乾かして欲しいが、俺が泣いた理由を伝えていないせいで側に居てくれようとするキースに流石に胸が痛む。
    「サブスタンスのおかげで体が丈夫なのは知ってるだろ?大丈夫だよ。」
    来いと言いながらキースのベッドに降ろされても、なお立ち上がろうとするディノ。ディノが手を置いた先、ふと枕が2つある事に気がついた。
    「……ここで寝るなら、いるだろ。」
    ぶっきらぼうに呟くキースは、ドライヤーとペットボトルを手に近くに来る。キースが一緒に寝る準備をしてくれていた事が嬉しくて、でも見られたくない顔を隠す様に下を向く。水を飲んで、心地良さに身を任せる。
    「水、ありがとう。」
    「おう。そこ置いとけ。」
    「うん……自分の髪を乾かせば良いのに。」
    「俺は良いんだよ。」
    と軽く話しながら、キースはディノの髪を乾かす。優しい手付きで髪を触るキースの手が、時折耳に当たり、ディノの鼓動は高まっていく。
    やっぱり好きだな……と想いを募らせていると、ドライヤーを切る音がした。
    「今度は俺がキースの髪を乾かすよ!」
    振り返って自信たっぷりに言うと、ドライヤーを能力を使って置いてしまう。
    「気にすんな。それよりお前、顔赤いぞ?もう寝ろ。」
    壁際にあったキースの枕と、ディノの枕を交換すると、サッサと寝転んでしまう。そこに寝られると、ベッドから降りづらいんだけどな……
    ディノの反対側を向いて寝転んだキースは動く気配がない。能力で電気も消されると、為す術もなかった。
    「ありがとう、キース。おやすみ。」
    小さな声でそう伝えると、若干身じろいでから優しい声が返ってくる。
    「お〜、おやすみ。」
    部屋は静かになるが、充たされた気持ちと落ち着いてもまだうるさい鼓動で気にならなくなる。
    ディノも布団に入ると、キースの方を向いた。

    お風呂で充分過ぎる程あたたまった体は、心地良い眠りを誘う。記憶よりも大きな背中と、大好きな匂いに惹かれる様にすり寄って、おでこをキースの背中につける。
    あんなに申し訳ないと思っていたのに、無意識のうちに「(これくらいなら良いかな……)」と甘えてしまう。そのまま幸せな気持ちで寝た日の夢は、キースと共に過ごせる願望を形にした、あたたかく優しい夢だった。
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