授業参観.「明日は授業参観の日です。お母さんやお父さん達に皆が頑張ってる姿見せようね!」
クラスメイトが返事をするなか頬杖をついて窓の外を眺める。
今まで授業参観で一度も親が来ることなんて無かった。それは俺が施設暮らしだからだ。捨てられて親の顔も知らない俺がそんな経験をするはずが無いと思っていたのは最近までのはずだった。
去年の冬、面会があると施設の園長から呼び出されて面会室に行けば緑髪と青髪の男が2人。俺が来るのを待ちわびたかのように座っていた椅子から立ち上がって傍に駆け寄ってきた。かと思えば青髪の奴に急に抱きつかれて号泣されたのをまだ覚えている。そいつに引き取られて今はもう戸籍上家族だ。家族になってからまだ半年しか経っていないのに何故か今まで引き取られた奴らとは違う感じですぐに馴染むことが出来た。お父さんって呼んだら名前で呼んでいいって言われたり、友達みたいに仲良くしてくれたり。まるで前からずっと深い関係性だったような。
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