宇宙へ一人旅宇宙へ一人旅
星間を漂う宇宙船内で、ジャミルは地上に残してきた恋人のことを考えていた。
一人旅を続けた果に向かう先は宇宙であった。
卒業後しばらくして従者を辞め旅に出たジャミルは、 興味のある国々を巡りまわったのちに、そのまま飄遊を続けていた。
宇宙へ行こうと思い立ったのは、放浪するジャミルを根気よく待ってくれている恋人の引退試合を、とある国の小さなパブで見ていたときのことだった。
マジフト選手として数年の間に渡りエースを担っていたレオナ・キングスカラーの引退は大変惜しまれ、こんな片田舎の町ですら引退試合を見るために人々が集い、パブは大賑わいであった。
ジャミルを待っている間、レオナからマジフト選手引退を決めたと連絡があったのは三ヶ月前のこと。
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