宿儺と呪霊悠仁1
PM 4:00
東京都立呪術専門学校
「宿儺。君に渡したいものがあるんだ」
呪術師としての仕事を終え、部屋に戻ろうとした宿儺に担任である五条が声をかけた。
「なんだこれは?」
彼が渡したものは、古びた箱だった。「催魔怨霊敵」と書かれたそれからは、異様なオーラが漂い、宿儺を混乱させた。その表情に何かを感じ取った五条は、それの説明を始めた。
「君は両面宿儺の転生帯として、二十本の指を全て取り込んだ。僕の目でも確認できる。君は間違いなく宿儺の指全てを取り込んでいる。けれどねーー」
話を右から左に流しながら聞いていた宿儺は、そこでふとこれが自分の指であると気がついた。中手指節関節から切断された左手環指の死蝋であるーーと。
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