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    orztee

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    藤本タツキ先生の「ルックバック」を読んでの感想、という名の怪文書。

    ルックバック感想 まずね、藤野ちゃんが可愛い。外見的な意味で。更に、勉強も運動も出来る人気者タイプな上に漫画も描けちゃう、藤野ちゃん凄い。
     序盤は、特に絵を描いたり、その他何かを作ったりしてる、多くの人に刺さる(と私は思う)展開。周りからも褒められて、自分でもうまく描けてる! という自信があったのに、同い年でそれ以上がいる! というのを突きつけられて、帰り道で泣いちゃう藤野ちゃん。への字口が可愛い、じゃなくて、その気持ちわかるんだよなあ〜ってなる。
     でも、藤野ちゃんには漫画の才能がめちゃくちゃある、ってことが、絵は上手いけど4コマになってるかと言われると唸ってしまう京本ちゃんの漫画と並べられることで、よく分かるようになってる。これは、ついったでも皆言ってるけど。ここら辺で、「藤野ちゃん、絵のうまさと漫画の才能はどうやら別だから、そっちだけに邁進しちゃわないで!」と謎に声を掛けたくなってくる。なにせ藤本先生の作品だからさ、どう転ぶか分からんもんね。
     そんな私でしたが、6年生の学級新聞を見て安心する。藤野ちゃんの才能は、絵の技術力の犠牲にはならなかった。やはり漫画の天才……。そして、後で京本ちゃんが言うように、もともとあった漫画の才能に画力が加わって、とても上達してるのが分かる。隣に並ぶのが写真かと思うような精密な京本ちゃんの絵だから藤野ちゃんはまた泣いちゃう訳ですが、ここでまた私は「泣かなくて良い……! 泣かなくて良いんだよ、藤野ちゃん……! 4コマとして面白いのは、貴方……!」と声を掛けたくなっちゃう訳で。しかも、とうとう挫けちゃって漫画を辞めてしまう……。私は無性に悲しくなりましたね……。
     しかし、もちろん話はそんなところで終わらないので。藤野ちゃんが堂々と不法侵入した結果、起きた出会いが最高でしたね……。自分が勝手にライバル視していた相手が、まさかの自分のファンだったって、そりゃあ嬉しくて小躍りもしますよ。
     藤野ちゃんの性格の良くないところが、ここで生きてるんですよねえ……。なんで辞めたんですか、の問いに、ますます自分で意地張って高いハードルつくっちゃって、でもそれを本当に乗り越えちゃうところが、やっぱり藤野ちゃんは漫画が好きなんだよ、才能があるんだよ、と思わせられますよね……。好きじゃないと、そんな意地の張り方出来ませんよね、後が怖くて。京本ちゃんの言葉を聞いて、自信を取り戻したんですかね。
     で、中学生になったら二人でずっと漫画制作……しかも受賞。編集者さんとの話のとこでも、藤野ちゃん節炸裂。でも、これもそれもあれもどれも、京本ちゃんがいたから出来たんだよなあ〜っていうのが、その後も続く二人の漫画の制作場面から、よくわかるんですよね……。
     そして二人の別れの場面……「私についてくればさっ 全部上手くいくんだよ?」のセリフ、自信があるから出るんじゃないってのが良いよね……。
     で、バランスボールに乗って絵を描いてるのがどっちなのか、私にはよく分からなかつたんですが、テレビを見るシーンで判明。ええー藤野ちゃん、髪伸びたんだねえ! ってそれどころじゃない、やはり藤本先生の作品だからなんかこんな感じのが来るんじゃないかと身構えといて良かったよ! ふうー。こういう物騒な事件、本当にあるからね……怖い(とか今でこそ冷静に打っていますがこの場面で泣いてたし、なんなら序盤の随所で既に泣いてた)。
     ふたりとも、お互いのために絵を描いてたとこがあったんだなあーと、今読み返してて思いますね……。画力が上がればスピードも上がる、という藤野ちゃんの言葉を聞いて、(漫画を手伝うから)私ももっとうまくなる! と純粋に考えた京本ちゃんと、漫画なんて描くもんじゃない、と言いつつ、でも京本ちゃんに読んでもらって、その反応が嬉しくて描き続けてきた藤野ちゃん……。そんなふたりだから互いの背中を見合って成長してきたんだよなあ。背中、というのがあとの4コマに効いてくるんだなあ、というのを、今読み返して気がつきましたよ遅い!!
     京本が死んだのは私のせいだ、というのが完全に間違いなのはもちろんのこととして。そのあと暫く続くif世界的話を、私はてっきり藤野ちゃんが描いた漫画なのかと思っておりました、が、これはSF的な、「どこかで存在している世界」「並行世界」だと考えた方がしっくりきますね。と言うか最後まで読んだら、そうだと解釈するのが妥当かな。
     並行世界では死なないどころか藤野ちゃんに助けられて、しかもおそらくこの後ふたりで漫画を描くのでは?(とにかくその可能性はあるのだ)と思える展開に、うええええ(泣く) てか、空手やってる藤野ちゃん可愛い、どう転んでも可愛い。なんてこった。ピースしてるコマの藤野ちゃんが可愛くてガン見しちゃった。
     そして、京本ちゃんが初めて描いた「4コマ漫画らしい4コマ漫画」のタイトルが「背中を見て」。背中。藤野ちゃんにとって、その内容はあまりにタイムリー(何せおそらく同時間の話だ)。びっくりするよねえ。藤野ちゃんがビリビリに破いた4コマの1コマが届いた京本ちゃんも、同じくらいびっくりしたよねえ。どの世界にいても、京本ちゃんは藤野ちゃんの背中を見ているんだねえ。
     ああ、なんかもう全てのコマに対して感想書いてるような気がするが、まだ書く。
     京本ちゃんの部屋に、シャークキックの同じ巻ばかりたくさん置かれている、恐らく読者アンケートハガキのため、というので、藤野ちゃんを応援し続けていたことがすぐ分かる、素晴らしい……いや、そんなところ? って思うかもだけど、たった3コマで、京本ちゃんの藤野ちゃんへの思いの強さを伝えられるって、いや凄いですよ。漫画は凄い。もちろん藤本先生が凄い。そして、小学生の時に書いたサイン……。それを、いつも見ていたんだね……って(泣く)
     自分が描いていた理由を知ったときにはその理由はなくなってしまっていた訳だけど、でも今、藤野ちゃんの中にはきっと、他にも描く理由ができたんだろうな……と、涙でよく見えなくなってる視界で書いてる。うううう。
     最後、自分が描いていた理由を確認させてくれるキッカケとなった、本来ならあり得ない4コマ漫画を、いつも目の前に貼って、そして藤野ちゃんは描き続ける。どんなときもそうだったように、描き続けるんだな。
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