結局、そういうことである。 ピンポーン
そわそわしながらインターホンを押す。工藤が降谷の自宅を訪れるのは初めてだった。状況的には単に知り合いの家にお呼ばれしたと言うだけなのに、何故か緊張してしまうのは相手があの秘密主義の男、降谷だからだろう。そもそも降谷のプライベート自体が想像できないのに、今からそこに乗り込むなんて。
こうなったのも先日事件解決の際に少しばかり降谷の力を借りたので、その礼をするためだった。菓子折り片手に示された住所に向かえば、そこはさすがと言うべきかセキュリティのしっかりしたマンションだった。
エントランスを開けてもらったので、既に降谷の方に工藤が来たことは伝わっている。案の定そう間を開けずに玄関の扉が開いた。
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