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    ザブソグル松尾

    @SUKIYAgaUMAI

    まだ助かる……
    まだ助かる……
    マダガスカルソ〜レィッ‼️‼️‼️

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    ザブソグル松尾

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    かき揚げだよ〜
    変な流花です
    ゲームっぽい感じにしようとしたのでとても読みにくい文章になりました

    なんだこれ19XX年___
    ハナミチの部屋

    「はぁ〜 よくねた!
    きょうから こうこうせい か……」

     赤い髪をかきあげながら、ハナミチは起床した。カレンダーを見て、今日が湘北高校の入学式であることをチェックする。ゆっくりとした足取りでキッチンに立ち、顔を洗い始めた。

    『ガチャ』

    「あ、ヨウヘイ!」

     ハナミチはタオルで顔を拭きながら、玄関に立つ男の名を呼んだ。ヨウヘイはハナミチのベストフレンド、つまりは親友である。合鍵を使って部屋に入ってきたヨウヘイは紳士的に片手を上げた。表情はいつも通り穏やかな笑みを浮かべている。

    「おはよ
    それはそうと はなみち
    まだ ねまきのまま なのか?
    ちこくしちまうぜ」

     ヨウヘイはハナミチの頭から足先までを見たあと、ため息をついた。ハナミチはそれを不思議に思い、部屋に飾られた時計をチェックする。

    「なっ!
    もう 8じ!?
    マズイ!」

    じょうたいいじょう:あせり

    「いそげよ〜
    おれは さきに いくからな」

     急がなければ。入学式から遅刻なんてヒジョーシキにも程がある。普段の非常識さを棚に上げたハナミチは深呼吸をして、心を落ち着かせた。

    じょうたいいじょう:あせり
    がなおった!

    ハナミチは よういをしおえた!

    「よぉ〜し
    まだまにあうな」

     焦っていた割には綺麗に出来上がったリーゼントに機嫌を良くしたハナミチは、弾むような足取りで外に出た。ハナミチの行く先に男が立ち塞がる。

    「うわっ! だれだ!?」

    「じゅうどうぶに はいれ
    おれとの バスケしょうぶで まけたら
    じゅうどうぶに はいってもらうからな」

     立ち塞がった男はアオタだった。アオタは柔道部の部長で、ハナミチとは知り合いでもなんでもなかった。それでもアオタは柔道部への勧誘をする。アオタはハナミチの妨害をするデビルバスケットマンの一人だった。

    「いくぞ……」

     アオタは体の芯へ力を込める。バスケパワーが漲ってきて、アオタの周りに風が吹き荒れた。バスケ勝負とはそれぞれが持つバスケパワーのぶつけ合いである。うちに秘めたるバスケパワーを波動として具現化し、それを放出するのだ。アオタがハナミチへとまっすぐ波動を打とうとしたその時、

    『ゴスッ』

     ハナミチはアオタを殴った。殴ったというより、顔に拳をのめり込ませたと言ったほうが正しい。拳がめり込んだアオタの姿ははよく見かけるギャグ漫画みたいな絵面になった。波動は不発に終わった。殴られたのに打てるわけなかった。ただ、痛かった。武道を極める身に理不尽な暴力が襲った。痛くて泣きそうだった。

    「おい!
    なぐるのは ルールいはん だぞ!」

     必死で泣くのを我慢しているアオタの元にまた新しい男が駆け寄った。名はキミノブ、バスケ部の副部長。ハナミチは入学初日のためキミノブとは面識がなかった。

    「ルールいはん?」

     ハナミチはアオタの顔面から拳を抜こうとした。なかなか抜けないからもう片手も使って拳を抜いた。スポン!という軽快な音がした。アオタの顔面は元に戻った。改めて見ると、意外と端正な顔をしている。

    「バスケしょうぶ なんだから
    バスケパワーで たたかうに きまっているだろう
    おまえ なまえは なんだ?」

     キミノブはしゃがみ込んでアオタに意識があるかどうかを確認した。意識はあったが意気消沈していた。もう歩く気すら起きないくらい落ち込んでいた。キミノブは自身の肩にアオタの腕を持ってきた。

    「サクラギハナミチだけど そんなことより
    バスケパワーって なんだよ」

     キミノブは目を見開いてハナミチのほうを見た。ハナミチが信じられないことを言ったからだ。

    「まさか おまえは なにもしらないのか……
    きをつけろ サクラギ!
    しょうほくバスケタウンには 
    デビルバスケットマンが いっぱいだ!」

     デビルバスケットマンはしょうほくバスケタウンの人々がバスケ部へ入部するのを阻止する悪人で、既に入部している人を転部させることもある。バスケ勝負で相手を打ち負かすためにバスケパワーを増やしている。ときには自分が所属する部活の練習を疎かにしてまでバスケパワーを増やすこともある。

    「しょうほくバスケタウンって なんだよ
    デビルバスケットマンって なんだよ」

    「サクラギ! バスケを れんしゅうしなきゃ!
    バスケパワーが ひくくて まけてしまうぞ!」

    「だから バスケパワーって なんだよ」

     キミノブは立ち上がろうとしたが、キミノブにのしかかるアオタが重くて立ち上がれなかった。肩からアオタの腕を外し、項垂れたアオタをそのままにして立ち上がった。アオタは悲しかった。俺がもう少し軽ければ……。今だけは鍛え上げた肉体が恨めしかった。

    「じゃ がんばれよ
    おれは ぶかつにいく」

    「たのむから くわしくせつめい してくれ!」

     キミノブはハナミチの質問を無視した。説明するのが面倒だった。取り敢えずの注意喚起をしておけば、あとは自然とバスケ部に入るだろうと考えた。

    「……いっちまった」

     バスケを練習するっつーのはどういうことだ?喧嘩してるだけじゃ駄目なのか?キミノブの後ろ姿をぼうっと眺めながらハナミチはぶつぶつとひとり言を呟いた。ハナミチはバスケのことを何を知らなかった。

    「どあほう」

     いつの間にかハナミチの背後にいた男はハナミチに話しかける。

    「だれ!?」

     次から次へと新しい男がやってきて、ハナミチは何が何やら分からなくなった。混乱したまま振り向けば、おそらく同年代の男。初対面の相手をどあほうと呼ぶあたり、生意気な奴に違いないことは分かった。

    「バスケって言ってんだろ。バスケットボールすりゃいいんだよ。バスケはボールをゴールネットに入れるスポーツ。猿でも分かる」

    「ふぬー!!
    すこし しらないことが あったからって バカにしやがって!
    じゃあおまえは バスケパワーに みちてるっていうのかよ!」

    「俺のバスケパワーレベルは1110だ、どあほう」

    「なんだと!?
    そんなたかいレベルなわけねー!」

     バスケのことに関してはドシロートのハナミチですら、その男のバスケパワーレベルが相当高いことを理解した。だって4桁だぞ4桁。ポケットモソスターでも100レベルが限界だってのに。

    「高くねーよ、バスケットマンならこれが普通。お前が経験なさすぎるだけ。今からでも始めたら?ボールなら貸せるし」

     めちゃくちゃ高いしまったく普通じゃない。ハナミチが物怖じすることのないようにその男は少し嘘をついた。

    「はじめるわけねーだろ!」

    「物分かりの悪い奴だな。鍛えなきゃこの世界では生き残れねーぞ。……お前が心配だから教えてやってんだ」

    『ドクン……』

     ハナミチの心臓が脈打つ。声色が優しく、心の底から自分のことを思いやっているのだと理解してしまった。それでもハナミチの素直じゃない態度はなおらない。

    「な なにいってんだよ バカ
    まぁどーしてもしんぱいっていうなら?
    はじめてやらんこともないけど?」

    「どうしても心配。始めてほしい」

    『ドックン……』

    じょうたいいじょう:こいのよかん。なぜか胸が高鳴って仕方ない。これが、恋……、なわけねーだろ。なんで俺が見ず知らず野郎にときめくんだよ。

    じょうたいいじょう:憤怒

    「クソがぁーッ!!」

     ハナミチの拳は空を切った。いつの間にか見知らぬ男がいなくなっていたのだ。ハナミチが怒りの感情を昂らせたことをいち早く察知し、殴られる前に逃げたのだ。ハナミチと喧嘩がしたいのではない。ハナミチを怒らせたかったわけでもない。ハナミチにバスケをしてもらいたいだけだ。そして自分とバスケしてほしい。見知らぬ男こと流川は自転車に乗り爽やかな風を浴びながら湘北高校へ向かった。少し口元が緩む。ハナミチがバスケ部へ入部するのを確信していた。それが俺と桜木の運命だから。
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    Replies from the creator

    ザブソグル松尾

    DOODLE桜木へ、誕生日おめでとう、めで鯛、愛でたい、蝶のように花のようにかわいがりたい。4月なのでマダガスカルです。当日に完成させたかった〜

    全然流花してない2人と、2人の周りにいる湘北バスケ部の皆さんの話。
    無題、ジェダイ ガードレールの裏側へ立てかけるようにして置かれたロードバイクをぼんやりと見ていた。流川はその横に立ち、ひどく退屈そうにしている。俺が口を開けない間、時折眠たそうに目を擦って、ただただ俺の返事を待っている。流川はわざわざ自宅から離れた俺の住む団地へ自転車を走らせてきた。日が暮れてしまう前にさっさと話を終わらせて、この眠たそうな男を帰宅させたほうがいい。そんなこと分かってはいるけど、この複雑な感情をどう言えばいいかが思い付かない。

     流川がアメリカへ行く。年が明けたら、すぐ。

     安西先生はどうして流川の渡米を許したのだろう。流川が日本一を目指してひたすらに努力してたのは知ってる。それは日本一になることが安西先生が定めた大前提だったからだ。インターハイでは全国優勝できず、次にある冬の選抜こそは優勝した上でMVPになると意気込んでいたはずだった。冬の選抜は始まってすらいない。
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