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    agete24sontaku

    @agete24sontaku

    ぷよぷよを中心のらくがき不定期更新中
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    おそ松さん二次創作「パラレルくん」その後の話
    化け猫娘を諦めない無気力ニートの愛と友情と笑劇の迷作
    供養用にちょっと復活

    猫おじさんーパラレルくんその後の話ー地獄おじさん番外編

    猫おじさん




    とある世界、とある時代

    過去に私たちがいた世界かもしれない

    未来に私たちが遭遇する世界かもしれない



    ここはイングランド北部にある大きな洋館


    大きな魔法陣の周りに数多の猫と少数の人間がいる
    つい先ほどまで魔法陣から召喚された、闖入者が原因で2人の女性が口論となった
    当初は知り合いである闖入者を庇っていたが、反論が出来なくなった暴力女による口封じのドロップキック
    そこから始まった殴り合い

    その挙げ句

    化け猫に変身し、言葉通りのキャットファイトとなった
    「2人とも落ち着いて!冷静になって元に戻ってくれ!フラウ、ヨシダさん!!」


    日本にいるマッドサイエンティストが開発した、猫に変身できる薬で擬態していたアビニシアンが、人間の男に戻り、叫んでその争いを止めに入った







    「ギャーーーーー!」
    「フンギャ!」


    猫はギラりと青年を見ると、うるさい、邪魔をするなと言わんばかりに青年に飛びかかった


    白と黒の二毛猫は、男の綺麗な顔を容赦なく、みだれ引っかきをし
    白猫も男に往復猫ビンタを食らわした


    「いだだだだだだ!!え?!なんでボクこんなに強く暴力をふるわれてるの?!」
    「ふん」


    二毛猫は美しい娘に戻ると、強引に男の胸ぐらをつかんで言う
    この娘、凶暴につき


    「あのね、私達は互いのプライドとアイデンティティをかけて戦っています。バカギに止められる筋合いはないの」


    「バカギじゃなくてアカギです」


    「…マサトは引っ込んでいて下さい。この生意気な女は1度徹底的に叩きつぶそうと思っていました」
    ビンタをした白猫も人に戻っては静かに言う
    「上等だわ!その鼻っ柱へし折って差し上げます!」
    両者は再び互いを睨み合う
    戦う気は止めないようだ



    キャットファイトは、ヨシダのファンという猫キチガイの闖入者が、気絶から覚醒するまで続いたそうな


    ーーー


    闖入者もとい、ヨシダのファンは、異国の地から日本に帰れるまでの間、ヨシダ同様に日本語が話せるアカギという青年と共にいることがあった
    ヨシダから、バカギという不名誉な呼び名をつけられている、その男は大人しくムカつくレベルのイケメンだが
    陰キャに通じる陰キャオーラがスゴくただよう
    おかげでファンは安堵した
    陰キャだし、話が通じそうな奴がいて良かったと


    化け猫族の人達は、化け猫といえど基本ベースが外人のためオラオラ系陽キャ気質で、自己主張が強く微妙に話を聞かない
    その性質は日本人でも、陰キャの中の陰キャである、ファンの男の精神をゴリゴリに削っていった
    頼みのヨシダは、魔法の失敗でふてくされており下手に近寄ると、理不尽な暴力が待っているため、おしおきして欲しい時以外はファンはアカギといた


    「ヨシダさんの父さんがボランティア活動先のギリシャから来るので…その時にヨシダさんと帰国できるよう頼みこんで下さい」
    「おれはヨシダさんといられるならココにいても良いんですけどね…ふひひ」
    「ヨシダさんもオーバーステイですしマツノさんも不法滞在でバレたら大変ですので」
    「強制送還も1つの手だし。おれ会社辞めたばかりの無職だから大丈夫。無敵だから」
    「English please」
    「ぐぬぬ…」


    アカギと少し馴染めてからは、彼がポツポツと自分の身の上を話し始めた


    アカギの趣味は読書、特技はピアノという根っからのインドア派
    父はチェロ奏者、母はピアニストであり講師も努めている
    そんな親の下に育ったアカギもまた、ピアニストになりたくてフランスへ留学しているという
    ホームステイ先がヨシダの親類の家だったという
    それはともかく
    イケメンな時点で、こいつ普通の家庭じゃないなと薄ら感じていたが富裕層じゃないか。鼻持ちがならん


    ピアノなんて今時らしくないな、今なんかPCがあれば、音楽や歌や声が作れる時代じゃんと悪態をついた


    「みんなからも言われました。良いよな~コイツ、実家が太くてって…と、息が詰まるから外国に逃げたのもあるんですよね」
    「その強者な発想やめろ」


    そんなわけで、嫌われ属性マシマシのアカギは早々にSNS止めた
    身の上話をしても、妬みからの揚げ足取りや嫌味が辛く、自分に共感してくれる同世代の若者がほとんどいないという
    そんなに日本人って金ないんだ…とマツノは思った。彼もまた実家は東京郊外の戸建て持ちという太さである
    だから無職でいられるのだが
    自分も無理して高校時代はキョロ充で、カースト上位のLINEサークルに必死でしがみつき、なんちゃってウェーイをしていた黒歴史があるが
    思い出すだけで全身から汁が噴き出して死ぬ


    「古い物は良いよ。すぐに価値が出なくてもいつかは出る。すべての歴史は退屈な繰り返しですから」
    「ヴィクトル・ユーゴーか」


    斜に構えて気に入らないと思いつつも、何だか自分の鏡を見ているようでマツノは複雑になった


    「SNSがつまらないのはおれもわかる。テクノロジーはうんこだね。多様性に見えるが、実際はそれを阻害して、みみっちく狭い限界集落を無限に生み出しているだけだ」
    「自由って孤立ですから」
    「ぼっち上等」



    おれだって、本当は寂しいから孤立なんてしたくない
    だのに、同調と共感がそれを阻害し、結局は人を孤立かノイローゼへと追い込む
    自由を得るなら、それと引き換えに孤立するしか心の平穏が訪れない
    くそったれな世界だ、くだらねぇと
    立ち上がったマツノは、猫に変身し近くの木に登り高い所で丸くなった
    要は拗ねているのである





    地獄おじさん本編へと続く
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