drag dreamtaleピー……ピー……
なんだ、この音。俺は、どこにいるんだ?ここは、どこなんだ?
「あら、意識が戻ったのですね?」
知らない女のモンスターに声をかけられた。
誰だ、誰だ。お前は、誰だ?
「あなたの弟さん、とても心配していましたよ。心配していましたが———」
「———弟さんは、行方不明になってしまいました。」
は?誰だ、それ。
「誰だ、そいつ、俺に、弟が、いたのか?」
「え?忘れてしまったのですか?弟さん、とっても心配しておりましたけど………..いなくなってしまいましたのですよ……悲しくないんですか?」
だまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれだまれ!!!!!!!!!
「俺に弟なんていない!!!黙れ!!!!!!」
バシッ!!!!
知らない女を本気で殴ってしまった。
「キャー!!!!」
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!!!
知らない女が必死で俺から逃げていった。
ようやく、1人になれた。
ここは、何処だ。
逃げないと、此処から。
なぜかそう強く強く俺は思った。
逃げるしかない。今すぐ此処から逃げろ。
なぜか足が勝手に動いてしまった。
気づかないうちに俺は知らない裏路地に着いていた。
とても疲れてしまい一気に座ってしまった。
割れた瓶が座ったところにありお尻がとても痛い。
「お兄ちゃん、ここ誰のシマか分かってんの?」
知らない男のモンスターに話しかけられた。
「は、?お前、誰、だ?」
「はぁ?お兄ちゃん、俺が誰か知らないの?」
「知らねぇよ、お前、誰だよ!!!」
「は?お前舐めてんのか?痛い目見て貰わなきゃいけねぇようだな!!」
——————ギャハハハハハハハ!!
(どうしよう、どうしよう……..)
『なんか言えよ?』
『この、チビ!』
——————やめて、やめて………
痛い、痛い、いたい………
パシッ
「は?この俺の拳を受け止めたのか?」
だまれ、だまれ、うるさいうるさい。
ドガッ!!!
ガッ、ガッ、ガッ、ガッ。
「………………..。」
もうモンスターは何も言わなくなった。
ああ、やっと黙った。
モンスターの金目になりそうな物を取り出し、服の中に入れた。
俺は其処を後にした。
俺は別のことに夢中になっていて、俺は全く気づいてなかった。
「え………..」
俺の体のところどころが溶けていた。
腕を見ると、手がどろどろに溶けて、無くなっていた。
もう、こんなのになってしまったから生きてる意味など俺には無いのか。
もう、何をしたって良いか。
落ちていたタバコに袋に入っていたマッチに火をつけ、タバコを吸った。
「ハァー……」
俺は、誰だったんだっけ。
自分の正体も分からないまま、路地裏の暗闇の中に入っていった。