俺の物語は君と交差する 時刻は二十一時といったところだろうか。スメールシティはまだ夜の活気にあふれている。普段なら酒の一杯でも飲んで帰ろうかと思うような時間だ。
「メラック……僕のことを支えてくれぇ……。」
しかし今日の僕はとても疲れている。久しぶりに旅人の依頼を手伝ったからだ。
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依頼人はフォンテーヌからやってきたドレスデザイナーであり、自国では強力なライバイがいるからという理由でスメールに越してきたそうだった。ドレスを宣伝するために広告を出すから、モデルになってくれる人間を連れてきてほしいということで、空は僕に声をかけたようだった。
「僕がモデルをするのは良い。ただ……相手は誰なんだ?」
「俺だよ。」
「え?」
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