王と騎士の話「いち、に、さん、し…………」
たくさんのオレンジの球体がテーブルの前へ集まって声を掛け合っている。それぞれが丸っこい手に握るのは文字や数字が印刷された紙切れのようだ。
「ご、ろく、しち、はち…………」
決まった枚数を束にして綺麗にまとめられているそれは、総枚数を数えやすくする事を前提として作られている。その束を一つ手に取り、枚数を数え終えたら束ねる帯を切り取り、袋の中へ無造作に投げ捨てていく。袋の中はバラバラになった紙切れが大量に収まっていた。
「きゅう、じゅう…………これで五十万枚ですね!」
「へぇ」
他の仲間と共に紙の数を数えていたバンダナワドルディはにっこり笑って玉座に座るデデデ大王にへ振り返った。それに対しデデデ大王は気の無い返事。
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