とわみら「見、たか…?」
「見てない、です、」
「怒らないから素直に言え」
「ごめんなさい、見ちゃい、ました、」
場所は財前邸、未來の部屋。ドアを開けたまま強ばった表情で固まる未來の手には自分の分と永久の分のミネラルウォーターが2本、永久の手には数世代前の充電器に繋がれたスマートフォンが握られていた。
やましい事は"今"はないしと永久にパスワードを教えていたのが仇となった。
よく言えばおおらか、悪く言えば大雑把な未來ははじめて携帯を持たされてから成人した今に至るまで1度もパスワードを変えたことがなかった。
おかげであっさり解除されてしまったのだ。
太田へ、定期的に携帯のパス変えろって言ってくれてありがとう、当時はうるせえなで話流しちゃってごめん、おかげで今大変なことになってるよ、ちゃんと話聞いとけば良かった…
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