気まぐれ、といった言葉が一番適しているのだろう。
退屈過ぎる毎日を過ごして、これといった刺激も興味もない日々。暇すぎる時間をどのように過ごしていいのかすら分からず終いで、頻回に欠伸を零していたことは覚えている。
【以前】の記憶を持っているからこそ、今の人生はつまらなかった。
呪いではなく、ただの人間として生まれ変わった宿儺。
一時的に肉体の共有をしていた関係なのか、虎杖悠仁の双子の兄として産まれてしまった。
呪いの王として君臨していた時代は終わってしまったのだ。仮に地獄というものが存在しているとするならば、まさに今が、宿儺にとっての地獄だった。
身体能力は低くはないが、鍛えなければ筋肉が萎み、以前の能力はまるでない。本当に、ただの人間に成り下がってしまった。
7488