学校での俺は表の顔、放課後の俺は……なーんてね、どんなこと期待した?残念、いつだって俺は俺、色んな顔を使い分けるなんて面倒くさいことはしない。シたいときにシたいことを。場所も時間も関係ないじゃん。楽しもうよ人生、めんどくさいことなんて全部忘れて、ね。
「紫音さんいるー?お腹痛い、薬ちょうだい」
「こーら。そんな風に呼んでるのバレたらこわーい先生に怒られちゃうよ。俺が、ね」
「だって紫音さん全然先生って感じしないしさー」
「それって褒めてくれてる?ありがと。でも薬はあげられない、そういう決まりだから」
「マジ?じゃあどうしたらいいの、すごい痛いんだけど」
大袈裟に腹を抑えて前屈みになりながらも生徒はちらちらと俺の顔を盗み見る。バレてるよ、欲しいのは本当に薬?
1976