『河童探し』「おい朝だぞ」
「むぅ~あとごふんだけぇ~」
あさとは起きる気配がなかった。仕方なく揺すって起こすことにする。
「ほらさっさと起きろ」
「んぁ~もうちょっとだけ・・・」
なかなか起きないので頬を引っ張った。餅みたいに柔らかい感触が手に伝わってくる。
「なにするのおぉ~」
「いつまでも寝てるからだろ」
「しょうがないじゃん・・・ねむねむなんだもん・・・」
「まったく・・・ほら飯食うぞ」
あさとを連れて居間に行くと祖父が新聞を読んで待っていた。
「おはようございます」
「おう、早いなお前たち」
「おい、あさとも挨拶しろ」
「おはよー」
「よしよし」
机の上にご飯と味噌汁と焼き魚が置いてあった。座ると三人で手を合わせていただきますと言う。あさとの分だけ魚の切り身が大きかった。
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