無能だからとパーティを追放された俺が実は○○○○だった件〜今更戻って来いと言われても遅い!〜最近パーティのメンバーが俺を無視する。
理由は分かっている。戦闘で得た報酬を全部川に落とす大ポカをやらかしたからだ。おかげでこのところずっと野宿だ。
メンバー内の空気も険悪で、ほとんど会話もなくなった。
俺は…申し訳なさすぎて、ずっと隅で小さくなっている。
ある日、リーダーが重々しく口を開いた。
「次の街で、代わりの新しい剣士を探そう」
サーッと血の気が引くのを感じた。このパーティの剣士は俺だ。
「待てよ!報酬をパアにしたのは悪かったよ!でもそれはないだろ!」
流石に我慢できず食い下がったが、彼は青黒い顔で口を閉ざしたままだ。
その夜、俺は荷物をまとめてガキみたいに泣きじゃくりながら皆の元を離れた。こんなに冷たい連中だとは思わなかった。俺はそれなりに役に立っていたつもりだったのに…確かに報酬は落とすし、居眠りして荷物を取られたこともあったし、この前は戦闘中に足を引っかけて術師を怪我させたし…あれ?
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