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    たった今デキた牧仙

     牧紳一は、その名の通り、どんな時でも冷静さを失わず常に余裕を持つ、誠実で包容力のある紳士的な男である。周囲からの信頼も厚く、厳しく指導はしても後輩から誰より慕われる、牧とはそんな寛大で優しい紳士的な男であった。
     
     だから、長年の片恋が実った相手───仙道にも、牧は極めて紳士的に言ったのだ。
     
    「お前が嫌なことはしねぇ。その気になるまでいくらでも待つ」
     
     ついさっき一世一代の告白をし、見事OKを貰った相手の手を握り、牧は余裕たっぷりに微笑んだ。
     正直言うと今すぐ抱きたいしめちゃくちゃにしたいし閉じ込めて全て自分のものにしてしまいたいが、愛する男を無理矢理手篭めにする趣味は牧にはなかった。仙道という心底惚れた相手を、傷つけたくない、怖がらせたくない、心も体も最高に気持ちよくしてやりたい。つまり牧は、仙道を大事に大切に慈しみたかったのだ。

     だというのに───。

    「は?」
     
     牧が一番愛を注ぎたい相手───仙道は、心底不思議である、という表情を浮かべて言い放った。
     
    「よくわかんねーこと言ってねーで、今すぐ手ェ出してくださいよ」
    「…………え? いや、ええ?」
     
     こういう時ってオレの深い愛を知って「オレ……もしかして大事にされてる?」ってキュンとくるシーンじゃないのか?
     予想外の返答に戸惑う牧を見つめて、仙道が口角を上げ楽しげに笑う。
     
    「牧さんがやらねーなら、オレがやっていいっすよね?」
     
     そう言うや否や、仙道は牧の胸倉を掴み、ぐいと引き寄せた。その勢いのまま仙道の瞳が間近に迫り、そして────。
     
    「ん、ふぅ、ん……ッ」
     
     仙道の甘い吐息が鼓膜に響き、ああ自分は奴にキスされているのだと牧は思い至った。ご丁寧に舌まで入れてきたので、反射的にそれを絡め取り、吸い上げる。熱く濡れた舌をねっとりと嬲り、咥内を余すところなく蹂躙する。

     こいつ、人が抑え込んでた欲望を無茶苦茶に煽りやがって。

     不意に揺れる腰に手を回し、しばらくキスを堪能していると、仙道の緩んだ唇から唾液が溢れる。
     
    「ふ、んぅ、……まだ、足りねー……」
     
     欲を孕んだ瞳で見つめられて、思わず息が止まりそうになる。

     そっちがその気なら、もう我慢しなくていいよな。

     牧の心の声が聞こえたように、仙道が潤んだ瞳を細め、妖艶に笑った。あまりにも、扇情的な表情だった。
     
    「牧さんに、我慢なんて似合わねーすよ。……さっさとオレを気持ちよくしてくれません?」






     


     その夜、牧は如何に自分が野獣のような男であるか、紳士とは程遠い本能に支配された男であるかを恋人によって思い知らされた。しかしそれこそが恋人の求めるものであったので、結局二人には何の問題も無いのであった。

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