遠い海面で跳ねる水しぶきが、夕日を受けて金色にきらめく。
数十匹は集まって大きな群れを成したナミイルカたちが楽しそうに戯れながら、思い思いに夕暮れの海を飛び跳ねて水平線のほうへ泳いでいくさまを、ハルトと一緒に、波打ち際で歓声をあげて眺めた。
ナミイルカたちがはしゃぐ声も、潮風に乗ってかすかに届いてくる。パルデアの海の風は、ほんのりとあたたかい。
明日で連休が終わる。明日になったら、午前中にはまた飛行機に乗って、学園へ戻らないといけない。ハルトも名残惜しく思ってくれたのか、海を見に行かない?なんて、日が暮れる頃になってから突然誘いをかけてきた。
ハルトがこんな風に言い出すとき、一緒についていくと、たいてい何かが起こる。いま目の前にある光景も、ハルトの家の近くの砂浜へ降りていってすぐに見ることができた。ハルトは何が起きるか知ってて俺を案内してくれることもあるけど、そういうときは見せたいものがあるんだって先に教えておいてくれるし、今回みたいに、本当に偶然なことも多い。
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