メフィ燐に巻き込まれた上に二人の関係を信じない雪男ただいま兄さんあのさって扉開けたら、メフィストに押し倒されながらメフィの首に腕を回してキスする兄の姿を目撃し、何も言わずに一度扉を閉めたら、途端に内側からわぁー!雪男違、これ、わぁー!って騒ぐ声とドタバタの足音が聞こえるけれど、自分の心臓がバクバクと早鐘を打ち鳴らし、ツ……と頬に汗が伝いながら、あれ?今兄さんフェレス卿とキスしてた?いや、これは僕疲れてるのかな……そうだよね、最近任務も多くて更にお悩み相談の市民窓口が人手不足だからって手伝ったり休日返上で遠方に行ったり、それに塾の予習にテスト作成、学校の課題だって……ちょっと働きすぎなのかも、大体あの二人、いや、ない、ないよね、絶対ないな……そんな兄さんとフェレス卿なんてどんなとんでも組み合わせなんだよ……兄さんのことだから転んだ拍子に仰向けになってフェレス卿巻き添えにしたとか、ああそれならありそう、って自己完結して息を整えると再び室内に入り二人と対峙する。きっとこれは何かのドッキリで僕は試されているんだな。そう、例え兄さんがフェレス卿の前なのに何故か制服のズボンも着てなくてシャツ一枚で何故か乱れてても、フェレス卿のスカーフが解かれてボタンがいくつか外されて素肌が見えてても、フェレス卿が燐落ち着きなさいって聞いたことない呼び方で兄を諌めていたとしても、そうこれはドッキリなんだ……反応してはいけない。って必死にこれは何かのドッキリだから何も驚くことはないと自らに暗示をかけて信じようとしない雪男。