執着は愛のラベリング兄上はどうして奥村燐にそんなに構うんですか、刀に心臓を封印されて弱いまま何も面白くありません。あれのどこが兄上の執着を呼ぶのです?掌サイズの大振りのキャンディーにガリガリと歯を立てながらアマイモンがメフィストに問う。眼下には相変わらず小物程度の悪魔に苦戦している末の弟の姿が映る。その姿をメフィストは実に愉しそうに眺めていた。執着もなにもあれは生まれた時から私のものだ。自分のものがああして、少しずつ少しずつ磨かれ美しくなる様は胸が躍る。心臓を戻した時……さあて、あれはどれほどのものを私に魅せるのか。クックックッと喉を鳴らして嗤う兄を見つめて、兄上は本当に悪趣味です、とアマイモンが無感情に呟いた。
メフィに生まれた時から私のものって言って欲しい。生まれて初めて抱き上げた手は確かにあなたの両手なのだから。