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    rinne_bl

    @rinne_bl

    ※投稿作品の転載・複製・改変・自作発言は一切禁止です※
    二次創作文字書きです。
    オル光♂、ウツハン♂など。
    オリジナル設定、捏造強めです。

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    rinne_bl

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    ヒカセンが踊り子装備でオルシュファンを誘惑する話。

    ※格好いいオルシュファンはいません※

    踊り子AF80がエロすぎて書かずにはいられなかった。
    そして下品。

    ■■設定■■
    5.0以降ですが特にネタバレはありません。
    踊り子AF80装備について言及しています。

    ヒカセン
    名前:ルカ
    性別:男
    種族:ミコッテ
    仏頂面がデフォルトだが内心はそうでもない

    #オル光♂
    #ヒカセン♂

    その壁をぶち壊したいルカがその装備を手に入れたとき真っ先に思ったのは――。

    「あっこれオルシュファンが好きそうなやつ」

     だった。

     第一世界の海底にアトリエを築いた既視感のある職人がこの世界の光の戦士たちのクリスタルから感銘を受けた例にと作ってくれた装備は、間違いなく逸品と言えるものだった。踊り子の装備も作ってもらったのだが、これが何とも過激な衣装だった。

     下はスロップを履くから良いとして、上は布地がセンシティブな所をどこも隠せておらず、隠せているのは脇程度のショート丈のベストである。否、もはや布である。そしてさらけ出された胸や腹、腰を豪奢な装飾のついた鎖が連なって飾り、華々しくも肉体美を誇示する意匠となっている。

     そこで頭を過ぎったのが紆余曲折あって恋人になった生命の躍動を愛する変な、もといイイ騎士だった。会う度にちょっと危ない目付きで迫りつつ体を褒めちぎってくるヤバいところはあるが、それを除けば誠実で情に厚く、紳士なイイ奴だ。
     

     以前軽い気持ちでモンクの新しい装備を見せてやったら酷い騒ぎになったことがあった。
     
     史上最大音量の「イイ!!」が響き渡り、砦の騎士たちがなんだ何だと詰めかけると、壁の隅に追いやられ引け腰になりつつ「落ち着け、正気を保て」と宥める英雄と、血走った目で「イイぞ……なんて美しい肉体だ……友よ、もっと近くで見たいのだが構わないな……」と鼻息荒く迫る上司の姿。反射的に誰かが上げた「確保ー!!」という号令の元一斉に取り押さえられたという珍事があったのはそうそう忘れられない記憶である。

     こんなこともあった。
     ナイトとしてウルダハの闘技大会に出る話をしたところ、今までにない真剣な目で「これを着て戦ってる姿写真に収めてくれ 」とコロセウム装備を手渡され、断固拒否して激しい口論になった。
     
    『誰が着るかそんなもの!』
    『そんなものだと!?ウルダハから取り寄せた由緒正しいコロセウム装備だぞ!』
    『防御力を考えろ!』
    『何のためのミラージュプリズムだ!』
     
     おおらかで戦場以外では滅多に怒鳴ることのない指揮官の怒声に隊士たちが怯えつつ見に来て目にするのは、下らない口論をしながらただのベルトにしか見えないソレを押し付け合う上司と英雄の姿で、呆れて去っていくというのが何人も繰り返された。コランティオに士気が下がると二人して説教されたが俺は悪くないと思っている。


     そんなこんなで付き合う前は筋肉フェチのヤバい奴という認識でいたので(今も変わっていないが)露出の高い装備は着ないよう心がけていたのだが、恋人になったからには話は別だ。

     実はオルシュファンとの夜にほんの少しだけ不満があった。付き合ってはや数ヶ月、体を重ねた回数も2桁を越すようになったし、そろそろもう一歩踏み込んだ交わりをしてみたい、というのがルカの本音だった。
     体の関係を持つようになってから、あのドン引きレベルの迫り方はどうしたというくらいに、いつもこちらの体を気遣って丁寧に優しく触れてくる。自称イイ騎士というだけあって、真面目になるとどこまでも理性的で紳士らしい。しかし、それであいつは満足できているのだろうか。対等な関係なのだから俺だってあいつを満足させてやりたい。
     というかあいつのイイ騎士の仮面をひっぺがして、獣みたいに本能丸出しでがっつく姿が見てみたい。むしろこっちが本音だ。

     あいつの超硬サーメット合金の理性をどうつき崩してやろうか、と思案していたところ、例の装備を手に入れたのである。
     

     ――体を魅せることに特化した踊り子の装束で誘惑したら鋼の理性も突破できるんでは?


     その発想に至ったルカは自分でも気づかないうちにニンマリと悪い笑みを浮かべ、嬉々としてペンダント居住区の自室に向かっていった。普段淡々とした表情の英雄が、極悪な笑みを浮かべているのにすれ違った人々は恐れ慄いたという。


     ――――――――――


     いつものことだが我が友はなんの連絡もなしにふらっとやってくるので歓迎のしようがない。いや、いつ来ようとこちらは嬉しいので問題は無いが。
     第一世界とやらにしばらく居ると数日前に聞いたが、異世界というのはそんなに簡単に行き来できるものなのだろうか。他の賢人たちは魂だけあちらに行ったままだというのであいつだけ特例なのだろうが、それにしても行ったり来たりと忙しないものだ。

     見たことも無い食材を手土産に現れた我が友は、構わないというのに宿代と言ってあれこれと頼み事をこなし、夕食は彼の冒険譚を聞きたがる兵士に囲まれ共に夕食を取った。
     私に習ってかは知らないがキャンプ・ドラゴンヘッドの者たちは皆彼が好きなので、彼が持ち込んだ珍しい食材に舌鼓を打ち、冒険譚を聞きながらの食事は大変に盛り上がった。その後こっそりと呼び止められ、向こうのとっておきの酒と肴を持ってきたから部屋で飲み直そうと誘われた。無論断るわけが無い。先に彼を私室に向かわせ、急いで残っていた仕事を片付け私も部屋に向かった。

    「すまない、遅くなっ――」

     目に飛び込んできた彼の姿に、驚きのあまり言葉が消し飛んだ。
     惜しげも無く晒された肌に、体を隠すためではなく飾るために纏ったような面積の小さい滑らかな布。鍛え上げられた体を取り巻くように巡らされた装飾は布地の控えめな色合いと相対的な豪奢な煌めきを放っていて、浮き上がる筋肉の陰影をより際立たせている。

    「っ、お前……その格好は……」
    「新しく手に入れた装備だ。あんたが好きそうだと思って見せにきた」

     立ち上がりこちらへ歩いてくる姿にまたしても息を飲む。テーブルで隠れていた下半身は脚の間を隠すような長い布地に、両サイドは太ももにすら届かないフリルが寄せられた布。大ぶりの丸鎖やプレートを連ねてベルト代わりに腰に巻き、そこから両脚の外へ華やかな鳥の羽飾りが垂れ下がり動く度にひらひらと舞っている。
     そしてその合間から伸びる脚を覆うものは、何も無い。ハリのある筋肉に覆われたしなやかな脚が、布の捲れ上がった付け根まで覗いている。これは見てもいいものなのか。彼の裸を見たことがない訳では無いが、はためく布や装飾で飾り立てられた彼は芸術品のようで、下卑た想像をすることすら躊躇われた。

    「あぁ……なんと……」

     昂る思いを宥めようと深呼吸するとため息混じりの感嘆が漏れる。顔を覆った手の隙間から覗き見ると、どうだ?と自信ありげな表情でパタパタと耳を揺らすルカが見えた。

    「ヴッッッ」

     心臓を撃ち抜かれたような衝撃に今度は前のめりに俯く。なんだこの可愛い生き物は。

     ふふんと自慢げに笑い、見せつけるようにくるりとターンを決めると、僅かのブレもない体幹を支えるふくらはぎが美しい曲線を描いて隆起する。わずかに遅れてその軌跡を追って舞い上がり、布地の下から体の軸を支えるためにキュッと力が入って引き締まった太ももが覗く。まて、あの際どいビキニラインと太ももに巻かれたベルトは、私がどんなに頼み込んでも着てくれなかったコロセウムサブリガではないか。
     一瞬の間にもたらされた情報の多さに宇宙を垣間見たような気持ちになった。

    「どうだ?」
    「くっ……イイ……!なんというか……すごく、最高で……とてもイイ」

     なんとかこの感動を伝えようと震えながら言葉にするが「イイ」と「最高」しか浮かばず、あまりに素晴らしいものを目にすると人の知能は低下するのだと知った。

    「なんと美しい……お前の躍動する肉体……筋肉……っ!」
    「そこかよ」

     ワントーン低い 声で何か聞こえたような気がしたが、ルカはなんでもないと首を振っていた。

    「そんなに気に入ってくれたなら何よりだ。せっかくならこの格好で何かしてやろうか」
    「なんだと!?何でもいいのか?」
    「できる範囲でな」

     そう言ってルカはクァールのようなしなやかな動きで歩み寄り、不敵な表情で笑う。ならばせっかくの機会だ、この頼み事をするのは今が一番だろう。

    「なら……是非頼みたいことがある」
    「なんだ?」

     すましていながら、どこか期待した面持ちでルカが急かす。相変わらずぶっきらぼうな態度だが、耳や尻尾がぴくぴくパタパタと揺れているため気にしているのが丸わかりだ。
     
    「その格好で……クリークタンツを踊ってくれ」
    「………………んん?」

     ルカの米神がぴくりと波打った。

    「あー……その、他にないか?クリークタンツならいつでも踊ってやるから」
    「む、駄目だろうか。あれは戦いと舞いを融合させた魂を鼓舞する舞踏なのだろう?強さと美しさを兼ね備え、その戦いぶりで皆を勇気づけたお前が踊るにふさわしいではないか」

     踊り子の衣装を披露してくれたのならその格好で踊って欲しいというのはそんなにおかしな願いだろうか。

    「ぐっ……ダメじゃ、ないが……あるだろ!もっと他に!」
    「ふむ……無理にとは言わないが、しかし私のためにその衣装を着て待っていてくれたのだろう?ならば是非今、お前の舞を見たいのだが」
    「~~っ……はぁぁもう、わかったよ」

     深くため息をついて了承してくれたが、そんなに渋ることなのか。彼は目立つことが好きではないからもしかすると負担に感じたのだろうか。

     いささか申し訳なさを感じながら、スペースを確保するためにテーブルを端に寄せた。


     ――――――――――

    「はぁ……ッ、イイ!!実に素晴らしいぞッッ!!力強さ!美しさ!そして滾る情熱ッ!!まさに私が愛してやまない生命の躍動そのものッ!そしてお前の肉体美……ッ!!流れるような舞の動きも鋭く切り裂く武の動きも、お前のしなやかでよく鍛え上げられた筋肉だからこそできるものッ!まさに!お前の美しい肉体を表現するに最適な舞踏ではないかッ!それに見ていた私の心すらも熱く燃えているようだ!あぁッ!私の生命の躍動を感じるぞッ!素晴らしいなクリークタンツ!!」
    「あぁ……喜んでもらえて何よりだ。夜だからもう少し声落とせよ」

     こうなる気はしていた。

     今までになくハイテンションにブチ上がっているオルシュファンをちょっと、いやだいぶ気持ち悪いなとげんなりしながら宥める。
     踊った。あぁ踊ったとも。あんなに煽てられてお前の踊りが見たいと言われて踊らない奴がいるか?そりゃもう全力で踊ったさ。表情、目線、指先の1つですら気を抜かず、相手を魅了するように。武の面を持つ勇壮な舞踏だがあわよくば色っぽい雰囲気に持ち込めるんじゃないかと希望をかけて。結果はご覧のの通りだ。

    「今なら剣ヶ峰すら踏破できる気がする!」
    「やめておけ。捜索に行くコランティオが可哀想だ」

     なんだか馬鹿らしくなってきた。思い切って胸も腹も脚も丸出しな痴女みたいな格好しているのに、なぜ目の前の男は上腕二頭筋を触って喜んでるんだろうか。

    「はーぁ……」
    「どうした、汗が冷えたか?」

     脱力して座り込む俺に、何を勘違いしたか肩に毛布を掛けてくるオルシュファン。いまはその優しさが憎らしい。

    「火を焚いているとはいえクルザスでその格好は寒くて当然だ。興奮していて気がつかなかった、すまんな」

     違うそうじゃない。紳士な気遣いはできるくせにどうしてこちらの意図は気づかないのか。

     
    「オルシュファン……あんたにはガッカリだ」
    「なっ、何故だ!?」

     あぁ、なんだか腹が立ってきた。

    「あんた、俺がなんでこんな格好してるかわからないか?」
    「あ、新しい装備を見せに来てくれたのだろう……?私が気に入りそうだと……」

     ギロリと下から睨みつけるとその長駆が揺れた。

    「人が精一杯いやらしい格好しているというのに…!恋人が!真夜中に!お前の部屋で!待ってるんだぞ!?誘ってるき決まってるだろこのヘタレ野郎が!それなのにお前ときたら筋肉筋肉……!俺の筋肉以外興味は無いのか!?体だけが目当てか!?」
    「待て、落ち着け、その言い方は語弊が――」


     
    「恋人がえっちな格好してるんだからチンポ勃てるのが礼儀だろ!!!!」


     
     握りしめた拳を床に叩きつけて力説する。シンと静まり返った空間に己の荒くなった吐息だけが響いた。くそっ、情けなさと恥ずかしさで涙まで滲んできた。

     しかしその時、オルシュファンから見て紅潮した頬と潤んだ目で睨みつけるルカが、ベッドの中で泣き喘ぐ姿と重なった。そして今の恰好といやらしいという言葉が脳内で劇的に結びついたのである。

     
     極小の布地からさらけ出されたしなやかな四肢、引き締まった凹凸のある体躯を彩る装飾。もしかしてこれは、とてもいやらしいのでは?

     
    「友よ、お前その恰好…………ものすごくいやらしいな?」
    「遅っっせえよ!!!!」

     今更か!と吠えるルカ。しかし涙目で凄んだところで子猫の威嚇にも満たない。

    「そうだな、確かにお前の体の美しさに先に見入ってしまっていた。恋人にそのような恰好をさせて何も思わないとは男として失格だ。だからもう一度、よく見せてはくれないか?」
    「……い、嫌だ」

     ギラついた目でオルシュファンが迫ってくる。先ほどとは違う種類の熱がこもった目に見つめられ、その圧にたじろいで後ずさるが、もともとしゃがみこんでいたところに詰め寄られて尻もちをついてしまう。

    「そう言ってくれるな。もともとそのつもりで来たのだろう?ここにきて日和っていては英雄の名が泣くぞ」
    「ここで英雄は関係ないだろ!……っておい!」

     毛布ごと抱き上げベッドへと運ばれる。赤ん坊のようにくるまれてしまっては暴れようがない。そのままベッドに下ろされ、長駆にのしかかられる。見下ろす視線に耐えられずに毛布の前をかき合わせ、きゅうっと身を竦めた。さっきまで気持ち悪い筋肉フェチの変態だったのに、突然こんな雄みを出してくるのは反則だろう。
     
     ふにふにと耳の先を弄びながら耳と頭の境目に唇を落とされ、甘くねだるような声で名前を呼ばれるとぴくりと体が震える。

    「っ、耳……やめろっ」
    「ほら、お前のイイ姿を見せてくれ」

     熱い視線と甘い声に力が抜け、握りしめていた毛布がはらりと抜け落ちた。晒された体に落ちる舐めるような視線に顔を背け身を震わせる。さっきまでは何も感じなかったのに、どうしてこうも恥ずかしく腹の底が疼くのだろう。

    「あぁ…………イイな、これは…………とてもそそる」

     いつもの肉体を賞賛する声とは全く違う、低く熱っぽい声に体の内のざわめきが止まらない。

    「それでは、第二幕はベッドの上で踊ってもらおうか」
    「……そのセリフ、オヤジ臭い」

     負け惜しみに呟いた言葉にピクリと米神を引き攣らせたオルシュファンに、その言葉を後悔させられる羽目となった。

     結果的にオルシュファンの超硬サーメット合金の理性をぶち破るという目的は果たされた訳だが、俺の方が振り回された気がするのはなぜなんだろう。

     釈然としない思いを感じながら、腰の痛みと、事後によるものだけじゃない疲労感と、よく分からない敗北感を抱えて眠りについたのだった。


     ――End――
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