ある夜の話「ねぇルシファー…起きてる?」
「…なんだ」
日付が変わって間もない夜。
先程までお互いの熱を交換していたふたりの星の民は、残る情事の香りもそのままに同じベッドに横たわっている。
静かに余韻に浸っていたルシファーに、ジータは恐る恐る呼びかけた。
ジータには、ルシファーに抱かれるたびにずっと気になっていたことがあった。
激しく抱かれ泥のように眠り、翌朝怠さの残る身体を引きずりシャワーを浴びることも少なくない。そしてほとんどの場合、目が覚めてもルシファーは隣にいないのだ。
抱き潰されピロートークなんてあったものではないし、色事の雰囲気を纏わない状況下ではどうしても聞くことができないでいた。
もし寝ていたのであればそれでいい、この話はまたいつか。答えを知るのが怖くないわけじゃない。いっそのこと気にしないほうがいいかもしれない。
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