ドラマのオファーを聖川とのダブル主演という事で受けた。
それは良い。
最近流行りのボーイズラブだというのも受け入れられる。そういう時代なのだ。
だがしかし。
だがしかしである。
「なんでオレがボトム?」
この抱かれたい男殿堂入りの神宮寺レンが何故……ちらりと隣りの相手役、聖川真斗を伺う。
オレの呟きを拾ってだろう、こちらの下半身を覆う衣服を見つめている何も分かってなさそうな顔が可愛い……違った。小憎らしい。これだ。
「お前はこの配役どう思う?」
「どうとは?」
「いや、だってさ、台本ざっと読んだ感じ逆だろ」
「そうだろうか?」
聖川は口元に指を当てると台本と睨めっこしながら首を傾げた。
「逆と言うが、そもそも何が逆なのだ?」
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