深夜の境界え、ネタ呟いたらすごくいいねしてもらえたから書こうってなったやつ(単純)
深夜、喉の渇きなどないのに目が覚めてしまった。
隣で寝ていた妻も、同じタイミングで得体のしれない何かを感じ取ったらしい。
長年を連れ添った夫婦は、言葉を交わさずに頷きあった。
己には人の気配を感じ取る芸当などできない。荒事とは無縁に生きてきた。無縁でいたくて必死にやってきた。
二十年に等しい時間。血の繋がらない息子を授かった時から、万が一を考え備え続けてきた経験が働いたのか。
ハルマ・ヤマトは妻を残し、足音を忍ばせ寝室から抜け出した。
ドアを閉める音は最小限にし、出来うる限り気配を殺そうとして無意識に息さえ止めていた。
息子の部屋の前を通る時、耳を澄ませてみるが起きている気配はない。
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