spice_twst

らくがきお題頂いたジャミルと一緒に寝る話SSです。


一緒に寝ると聞いて「ジャミル先輩が私を好きすぎて困る」シリーズのジャミルが浮かんで勝手に続きみたいにしてしまったので思ってたのと違ったらすいません……!

※捏造設定もりもりです。


リクエスト本当にありがとうございました!
ジャミル先輩が私を好きすぎて困るSS

一緒に寝る話。





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「はぁ、気疲れしたな」
「ほんとですね」


卒業式を終えてからカリム先輩の実家でそれはそれは盛大な宴をされ、あまりの豪華な宴にそれだけで萎縮してしまうのに更に″カリム先輩とジャミル先輩の御両親にも初めて挨拶する″という最大のミッションまであり本当に疲れた。


エースには「見てるこっちまで胃が痛かった」と言われた。こっちは胃に穴が開きそうだったよ。


なんとかジャミル先輩がフォローしてくれたので失礼は無かった……と思う。
そもそもカリム先輩の御両親もジャミル先輩の御両親もめちゃくちゃに優しかった。カリム先輩があと4人増えたのかと思うくらいに。


そこそこの小金持ちよりも本物の大金持ちは心が広い……なんて話どこかで聞いた事がある気がする。


「……ていうかジャミル先輩も結構ボンボンですよね」
「ボ……嫌な言い方をするんじゃない」
「今日まで知らなかった……詐欺だ」
「アジーム家に仕える家が得体の知れない家柄なんて訳にいかないだろ。俺の家は代々アジームに仕え共に住んできた。別にカリムと比べれば俺なんてたいしたことないさ」
「プチ大富豪じゃないですか」
「なんだそのふざけた造語は」
「私本当に普通の小庶民なんですけど財産目当てと思われて追い出されたりしないですかね……」
「君は俺の財産目当てだったのか?」


ジャミル先輩はやけに意地悪そうに笑う


「……そんな訳ないじゃないですか」
「そんな奴だと思わなかったよ」
「もう!分かってるくせに意地が悪いですよ!」
「何の事だ?言われなきゃ分からない」
「意地悪する人には言いません」
「酷いな。この俺の悲しい顔を見ても?」
「うそうそ!その顔は嘘ついてる時の顔って知ってますからね!」
「…………フッ」
「あ!ほら笑った!もう!怒りますよ」



ジャミル先輩はそのまま吹き出してしまい、ベッドにトサッと倒れ込んだ。


「ふはっ、ははは」
「……もう!何がそんなに可笑しいんですか」
「はは、……はぁ。悪い悪い」


こちらへと手を伸ばされる


「悪かったよ。つい嬉しくて」
「……もう知りません」
「ははっ、ほら仲直りをしよう」


……仕方ないなぁ。


伸ばされた手に触れると思いっきり引っ張られそのままジャミル先輩の上へと倒れ込んだ。


「わっ!ちょっと先輩」
「……はぁ、最高に幸せだ」
「えぇ………そんな…急に……、…」
「ん?」
「急にそんな事言うなんて」

ずるい


本当にずるい人だ。


「それで?君は俺の財産目当てじゃないんならどうして俺と婚約したんだ?」



……そんなの聞かなくても分かりきってるくせに。



「……ジャミル先輩の事が好きだからです!」

久しぶりに会うってだけで恥ずかしいのに。
こんな誘導尋問みたいな事しないでほしい。今日の先輩はいつもより少し意地悪だ。



「俺も好きだよ」


一気に周りの空気が溶けるみたいな感覚



「……先輩、今日はしないで寝ませんか」
「は?!!」
「声でか」
「ふざけた事言うからだろやっと一緒にいれるっていうのに」
「分かってます!分かってますって!……私だって会いたかったですし、先輩の気持ちも十分分かってるつもりです」
「じゃあなんでそんな生殺しみたいな事言うんだ」
「必死じゃないですか……」
「当たり前だろ。納得いく理由があるんだろうな」


最早怖いなその執念……



「…………今日は……久しぶりの本物のジャミル先輩とくっついていっぱい話がしたい気分なんですけど…………ずっと電話越しで我慢してたから……」
「……」
「ベッドでくっついて…ちょっと夜更かし、ダメですか?」



……先輩、それはどういう表情ですか……?






「……あーーーーっ!もう分かった俺の負けだ」
「わ!やった!」
「ただし絶対何もしないとは約束出来ないからな」
「えぇ!!話が違う!」
「どんだけ我慢してきたと思ってるんだ」

「……私だって別にしたくない訳じゃないですけど今日は久しぶりだからいっぱいお話したいから我慢してるのに」


……

「ジャミル先輩?」


だからそれは一体どういう表情なの……?


「……今のは君が悪いからな」
「え?」



突如反転する世界、目の前にはまだ見慣れぬ天井と…ジャミル先輩

それと久しぶりの口付け。



「……ん、先輩」
「大丈夫だ久しぶりだからすぐに済む」
「え、ちょっとジャミル先輩それどういう意味ですか」
「すぐに済む」
「なんか嫌ですその言い方」
「その話とやらは後でちゃんと聞いてやるから」
「えぇ!!絶対そんなわけないじゃないですか!」
「今まで俺が君に嘘をついた事があったか? 」
「数えられないくらいありますけど」
「はて?俺の記憶違いだったか?」
「とぼけたって駄目ですから!」


意外にもあっさり覆い被さるのを辞めた先輩は私の横に寝転ぶ。
目の前にある先輩の顔はいつもみたいな意地悪な笑顔じゃなく、本当に楽しそうに笑っているのを見て心臓のあたりがじんわりと温かくなるのを感じた。


「……仕方ない。今日は折れてやるとするか」
「えっ良いんですか?」
「俺も君の話が聞きたい気分になったんだ。」
「えぇ!自分から言っといてなんですが有り得ないびっくり」
「前言撤回しようか?」
「嘘ですすいません先輩優しい大好き!」


どこまでも甘い、優しい笑顔。

「それで?どんな話を聞かせてくれるんだ?」

寝る前に絵本を読んでくれとせびる子供みたいに言うからあんまり可愛くて抱き締めた。


「先輩可愛い。久しぶりに腕枕してお話してあげましょうか?」
「……」
「はい、頭上げて」

先輩は馬鹿にしたみたいに鼻だけで笑う

「可愛い、か。俺を子供扱いするなんて君くらいだ」


こんな先輩を知ってるのが私だけだなんてなんだか優越感。
そのまま頭を少しあげて私の腕を受け入れてくれる。


「……けど」


途中、本日二度目の口付け。


「明日は覚悟していろよ」

前言撤回全然可愛くない。





▲▼───





久しぶりに彼女に触れれると思ったのにまさかのおあずけを食らってしまった。
こないだの卒業旅行でも″した″。確かにしたが、もうそれも何週間か前の話だ。君は本当にいつも酷な事を言う。


休みの間は頻繁に電話だってしたのにまだ話したい事があるのか?
俺はそこまで聞き上手な方でも無いと思うんだが「話がしたい」だなんて言う君の笑顔が可愛いから今日は折れてやる事にする。

それにまぁ久しぶりにこういうのも恋仲になる前みたいでなかなかどうして悪くない。

別に焦らなくたって今日からは毎日一緒なんだし。
明日からは疲れて部屋に帰ってきても君がいるのか。帰り道スキップのひとつでもしてしまいそうだな。




──



「ジャミル先輩」
「ん?どうした」
「ジャミル先輩ってお母さん似なんですね」
「そうだな。そう言われる事の方が多いな」
「流石の美男美女ですね…なるほどこの二人ならこんな綺麗な人が産まれるわけだって納得しました」
「ははっ、伝えておくよ」
「え!辞めてくださいなんか媚びてるみたいじゃないですか!」
「別に本心なんだから良いじゃないか」
「それでも嫌なんです!」
「純粋に喜ぶと思うけどな。……でもまぁこの顔に産んでくれた事には感謝してるよ。」
「お、先輩自分の事大好きですね」
「そうじゃない。君、俺の顔好きだろう」
「えっ!……それはそうですけど」


「俺も君の顔が好きだ」
「顔?!……私先輩みたいに整ってませんけど」
「子供みたいに笑う顔が好きだ」
「えっ」
「目を丸くして驚く顔も好きだ」
「ちょ、ちょっと先輩」
「怒った時の眉間にしわを寄せた顔も」
「なんですか急に」
「寝所で俺にしか見せない顔も」
「セクハラ! 」


全部俺がさせた表情だと思うと全て愛しい。




……が、自分で言っといてつい夜に俺にしか見せない顔を思い出してしまった。



「……やばいな」
「?……先輩?」
「すまない。やっぱり我慢出来そうにない」
「ちょ、ちょっと!今日はしないって言ったじゃ…」
「俺たちの子の顔が見たいと思わないか?」
「は?!」
「さぞ可愛いと思うんだが」
「待って先輩私結婚式終わるまではそういうつもり無いんですけど!!!」
「奇遇だな。俺ももう少し二人の時間を楽しみたい」
「いや話噛み合ってないんですけど」



心配しなくても今まで離れていた分君との二人の時間を存分に楽しむつもりだから安心してくれ。



「……けどまぁ、ちょっと気にはなりますけど……」


あぁ。



本当に狡いな、君は。



「はぁ……耐えれられるか怪しいな」
「何がですか?」
「…………なんでもない」





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