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    自主練

    setsuen98

    DONE🌊🔮
    ふとした時に出る🌊のちょっと口の悪い感じが好きっていうのから書き始めたsuukiだけど、あまり要素を盛り込めなかった自主練供養の作品。
    「いらっしゃいませ! ご注文はお決まりですか?」
     浮奇行きつけのカフェで、二人が初めて会った日。突如店員として勤め始めたスハは、この店のオーナーの親戚だという。
     にこにこと人好きする笑顔と共に投げられた問いに、数度瞬きをした後、少し言葉に詰まりながらコーヒーをオーダーする浮奇の声には、微かに動揺が滲んでいた。
     
     行きつけということもあり何度も顔を合わせお互い気さくに話せるようになる頃には、あの時の動揺は思わぬ出会いに一瞬にして心を奪われていた所為だと浮奇は自覚していた。
     悲しいかな、男運の悪い(趣味が悪いとも言う)浮奇の歴代の彼氏達とは比べものにならない好青年なスハは、見ているだけで心が潤うような、言わば浮奇の日々に彩りを添えるアイドルのような存在になっている。来店した浮奇を見るなり、会えて嬉しいとばかりにぱっと満面の笑みを浮かべる姿に癒しを得るばかりか、時折コーヒーと共にスイーツのおまけをトレーに乗せて「私と浮奇だけの秘密だからね?ないしょ」と囁く優しい声にときめかされる日々。そんな出逢いに感謝する心穏やかな日々に不穏な影が差したのは、スハの一言からだった。
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