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    #簓空

    tobun

    DONE27×20 ささくう
    付き合って三年目。灼空に挨拶に行く道中、真正ヒプノシスマイクを喰らった簓を空却と新生MCD達(他キャラも)が助ける話。

    <注意>
    ・皆和解していて仲が良いです
    ・婿入り前提
    ・死体が出てきます
    ・メソメソする空却がいます
    ・矛盾があるかもしれません、ふんわりとお読みください。(見直す時間がなかった…)
    ・地域表記→関西・中部・関東・東北・北海道(漢字)
    フラワー・シャワー「華がねぇな、お前」
     いつだったか、少々参っていた時。赤髪の生意気な僧侶に面と向かって言われたことがある。その直後、地面に落ちていた枯れ葉を拾うとあろうことか簓めがけてぶわっと放り投げてきた。どうせ投げるならこんな小汚い枯れ葉ではなくて綺麗な花弁であって欲しかったが、今ここには花がないのだから求めても無駄だ。何より、この僧侶の言い草や態度から見るに、ハナはハナでも鼻ではなくて花でもなくて華の方なのだろう。
    「え……なんや急に。名前からして花やんか、俺。俺くらいやで、生まれた時から花も華も背負っとるの」
     華がないとはなんだ、華がないとは。いきなり言われたものだからロクなボケも出来ずに「つまんねー」なんて言われる始末で。いや別にボケたわけでもツッコミを入れたわけでもなくて、ただ単に事実を言ったまでなのだが。まぁでも確かに面白くはないし、どちらかと言えばスルーして欲しいのでこれ以上深追いはしない。
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    tobun

    DONE24×17ささくう

    ドロライのお題を借りました

    お題:年の差
    年の差お題:年の差

     ある程度年齢がいけば年の差はあまり気にならない。事実、簓と左馬刻は一歳差だけど傍から見ているとどちらもバカであまり変わらない。前に直接本人たちに伝えたらえらく怒られたけど。
     一郎とは同い年で、左馬刻とは六歳、ああ見えて年長者の簓とは七歳離れているが、ダチなのでやはり年の差はあるにはあるが気にならない。年上組の二人がバカなのも大いにあるだろう。
     だからと言って全く年の差を感じないか? と聞かれたらそうでもない。四人でご飯を食べに行けば拙僧と一郎は酒が頼めないし、酷い時には「お子様は」と言われる。しかも何故か拙僧だけに向って。一郎だって同い年なのに解せない。
     それからちょっとした傷とか虫刺されとか。今まですぐに綺麗さっぱり治っていたから全くもって気にしていなかったが、アイツらはやたら気にしている。特に簓。蚊に刺されが治らへん、三カ月前の傷がいつまで経っても消えへん、とかなんとか。不摂生じゃねぇの? と言ったら「空却……これが……加齢や」と妙に真剣な顔で。聞いた拙僧がバカだと思った。二日酔いに頭を抱えている左馬刻も同じことを言っていたのでやっぱりアイツらは揃ってバカだ。
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    oimo91567124

    PROGRESS簓空全体 弱り簓さんと盧笙センセ蕭条


    人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならないのです。

    (ー『竹青』より  太宰治)



    酷く揺さぶり、欲の象徴たる怒張で力一杯貫き壊しても、失われた執着を取り戻そうとしてもどこか宙へ視線を揺蕩わせ「別れたい」と繰り返す恋人を抱く夢をみて飛び起きたのはマフラーを外しているのだろう轟音を立てるバイクの音が遠くで鳴る外が夜の深みを極め人間の気配が薄らいでいる丑三時であった。
    汗でTシャツが張り付き気持ち悪く、ドクドクと忙しなく鼓動が警鐘を鳴らすかのよう不快なリズムで体の内側から身体を叩かれる。
    息は浅く、吸っているのに肺まで満たらないような気がして回数は増えるばかり。

    …あぁ、またか。

    簓には昔から自分にもどうにもできない悪癖があった。他人に執着を覚える度、感情が大きくなる度、愛を捧ぐほど、同じだけソレを手放したくなり諦めたくなるのである。
    根底にあるのはついぞ、手中に出来なかった家族の団欒や無条件の愛の存在、成長途上で親から送られ教えられるその安堵感を与えられなかった事の傷がケロイドになりもう治せないのである。
    この悪癖を自覚したのは相方との離別の際。嫌だ嫌だと喚き 1807

    oimo91567124

    DONE簓空 オメガバース 巣作り「今すぐ脱げ、パンツも含めて全部脱いでここに置いとけ。外堀が少し足りねぇんだよ」

    開口一番、長らくの収録続きで久々に我が家へと帰ってきた簓を玄関で待っていた空却からのお迎えの言葉である。壮健な空却の発情周期はまさにキッチリと二ヶ月に一度、中旬あたりに必ず来る。それも番となり抑制剤や過剰発情によるフェロモン分泌の不安定さが無くなって久しい伴侶の発情期が来ていることも予測していた簓は持っていた鞄を玄関に置き顔をあげ、自分の服を追い剥ごうとする姿を見上げた。
    その白絹のような緻密なキメをもつ肌を紅く、まるで開花したてのピンクダリアのような色へと薄らと染め上げた空却が儚げな容貌とは真反対の高圧的かつ目的のものが不足していたという枯渇からの苛つきを隠そうともせずに黄金の瞳を気怠さと欲と焦りで揺らがせながら強引な追い剥ぎを告げてきているのは何度見ても一般的には可愛げがないのであろうが、簓の目には可愛く愛おしく思うのは番いになる前から変わらず、眉を下げ自分自身でなく衣服を要求する番に軽口を一つ戯れに返し靴の紐を解く。




    「本物がおんのに皮(ガワ)だけ欲しがりよって…久々に会うたんやで簓さんの 2314