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DOODLE🔫夢クリスマスイブの話「メリークリスマス!」どこかから聞こえてきた客引きの声にそうか今日はクリスマスイブかと思い至る。そうと気づけば街行く人たちの手に有名店のショップバッグやケーキ店の箱があるのが目に付いた。
「いいなァ」
思わずこぼれた独り言は寒空に吸い込まれていく。子どもかそれか恋人をもつ人たちにとっては特別な夜になる日だとすっかり気づきもせず今日一日、仕事をして過ごした。
とはいえ、私にも別に彼氏がいないわけではない。ただ私と違ってお偉いさんで日々忙しくしているだけのこと。彼ことベックマンは先週から海外出張だとかで帰りは年始になると聞いていた。
帰りついたとて暗く寒い部屋でぬいぐるみたちが私を待っているだけなんだよなァと虚しさに浸りながらとぼとぼ歩いてようやくマンションの前に着いた時、私の部屋に明かりがついているのが見えた。
995「いいなァ」
思わずこぼれた独り言は寒空に吸い込まれていく。子どもかそれか恋人をもつ人たちにとっては特別な夜になる日だとすっかり気づきもせず今日一日、仕事をして過ごした。
とはいえ、私にも別に彼氏がいないわけではない。ただ私と違ってお偉いさんで日々忙しくしているだけのこと。彼ことベックマンは先週から海外出張だとかで帰りは年始になると聞いていた。
帰りついたとて暗く寒い部屋でぬいぐるみたちが私を待っているだけなんだよなァと虚しさに浸りながらとぼとぼ歩いてようやくマンションの前に着いた時、私の部屋に明かりがついているのが見えた。
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DOODLE❄️夢攫う久しぶりに会ったその人は相変わらず背がでかくて態度も相変わらずだった。
私が好きだったその人、クザンさんは開口一番「ぼいんなねーちゃんがいると思えばナマエちゃんじゃないの」と間延びした声でセクハラをかましてきた。
まるで毎日顔を合わせていたあの頃のように変わらない態度で接してくるクザンさんに私も思わず「大将それセクハラですよ」と返してしまった。
「もう大将じゃないでしょうが」
やれやれと溜息をついて見せるその仕草すら見慣れ切ったもので、何をどう伝えればいいのか私にはわからない。
「そう、でしたね」
「なァ話は変わるが」
パン、と手を叩いてわざとらしく話を変えようとするのは気まずさを感じさせないための配慮なのだろう。結局は優しい人だから。
1205私が好きだったその人、クザンさんは開口一番「ぼいんなねーちゃんがいると思えばナマエちゃんじゃないの」と間延びした声でセクハラをかましてきた。
まるで毎日顔を合わせていたあの頃のように変わらない態度で接してくるクザンさんに私も思わず「大将それセクハラですよ」と返してしまった。
「もう大将じゃないでしょうが」
やれやれと溜息をついて見せるその仕草すら見慣れ切ったもので、何をどう伝えればいいのか私にはわからない。
「そう、でしたね」
「なァ話は変わるが」
パン、と手を叩いてわざとらしく話を変えようとするのは気まずさを感じさせないための配慮なのだろう。結局は優しい人だから。
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DOODLE🔫夢1220「寒いなァ」
はぁと息を吐いたり手を擦り合わせてどうにかこうにか暖をとろうと動くその小さな背中にひとつの影が近づく。
「あっためてやろうか」
その大きな体躯でぐるりと包み込むように背後からのしかかってきたのはこの船の副船長、ベン・ベックマンだった。
「副船長、どうしたんですか。交代時間でも無いしそもそも次の見張り番は副船長じゃないですよね」
「そうツレねぇこと言っていいのか?」
そう言って副船長はちゃぷりと手元の瓶を揺らしてみせた。
「このクソ寒ぃ中頑張ってるお前さんにと思ったがそーか要らねェってんなら」
「いります!飲みます!ください!寒い!」
「正直で結構。ならここに座ってくれ」
ここ、と示されたのは三角座りした副船長の膝と膝の間。
1068はぁと息を吐いたり手を擦り合わせてどうにかこうにか暖をとろうと動くその小さな背中にひとつの影が近づく。
「あっためてやろうか」
その大きな体躯でぐるりと包み込むように背後からのしかかってきたのはこの船の副船長、ベン・ベックマンだった。
「副船長、どうしたんですか。交代時間でも無いしそもそも次の見張り番は副船長じゃないですよね」
「そうツレねぇこと言っていいのか?」
そう言って副船長はちゃぷりと手元の瓶を揺らしてみせた。
「このクソ寒ぃ中頑張ってるお前さんにと思ったがそーか要らねェってんなら」
「いります!飲みます!ください!寒い!」
「正直で結構。ならここに座ってくれ」
ここ、と示されたのは三角座りした副船長の膝と膝の間。
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DOODLE🔫夢1217今朝は凍えるような寒さに目を覚ました。もうすぐ冬島の海域に入ると聞いてはいたが冬とはこんなに寒かっただろうか。久々に冬島に入るせいもあるだろうが冬島の冬にあたるとも聞いたからやはり特別寒く感じてしまうのも仕方ないのかもしれない。
「うーさぶさぶ」
服を着込んでもまだ寒い。身体を芯から温めるならばと食堂に足を向けた。
「よォ」
聞き慣れたその声の主ベックマンはこちらが見ていて寒くなるような格好、普段通りの黒いシャツに唐草模様のマントといった出で立ちでぷかぷか煙草をふかして現れた。
「寒くないの?」
「……そういえば寒いな」
「もしかしなくても寝てないでしょうベック。最近寝たのいつ?」
「少なくとも夜番の後は寝たはずだ」
1578「うーさぶさぶ」
服を着込んでもまだ寒い。身体を芯から温めるならばと食堂に足を向けた。
「よォ」
聞き慣れたその声の主ベックマンはこちらが見ていて寒くなるような格好、普段通りの黒いシャツに唐草模様のマントといった出で立ちでぷかぷか煙草をふかして現れた。
「寒くないの?」
「……そういえば寒いな」
「もしかしなくても寝てないでしょうベック。最近寝たのいつ?」
「少なくとも夜番の後は寝たはずだ」