フスキ
DONE水麿小説、二人の出会いを真面目に妄想してみた編。まろくんのほうが先に顕現していた場合です。
君に会いたかった(水麿) 源清麿とはこの程度なのか。最初の訓練でそう言われて、腹の底が怒りで爆発しそうになった。
「江戸三作の刀がこれではな。実装計画は尚早だったんじゃないか」
「新々刀としていい働きを見せてくれると思っていたのに、期待外れだ」
人間たちは清麿に勝手に期待をして勝手に失望したようだった。抗う力だってあるはずなのに、好き放題並べる人間にこの手は刀を向けることさえできない。
政府の人間たちが次に唱え始めた言葉はひとつに集約していった。
「来たるべき祖の実装に向けて、お前が新々刀の誇りを示さなければいけないんだ」
新々刀の祖。水心子正秀。当然のように認知していた自分すらなんだか憎らしかった。人間たちは彼に酷く期待を寄せているようだ。
5458「江戸三作の刀がこれではな。実装計画は尚早だったんじゃないか」
「新々刀としていい働きを見せてくれると思っていたのに、期待外れだ」
人間たちは清麿に勝手に期待をして勝手に失望したようだった。抗う力だってあるはずなのに、好き放題並べる人間にこの手は刀を向けることさえできない。
政府の人間たちが次に唱え始めた言葉はひとつに集約していった。
「来たるべき祖の実装に向けて、お前が新々刀の誇りを示さなければいけないんだ」
新々刀の祖。水心子正秀。当然のように認知していた自分すらなんだか憎らしかった。人間たちは彼に酷く期待を寄せているようだ。
Tears_reality
MEMO麿水両親にせっつかれて麿に偽装結婚申し込んで2人がお互い隣にいるのはって考える2人
水→麿「清麿、一生のお願いだ!女装してくれ!」
そう言って僕は幼なじみに土下座された。水心子正秀、彼は僕の長年の幼なじみだ。ちなみに僕も彼も同性だ。いきなり何をと話を聞けば両親に色々とせっつかれてるらしいが水心子はまだ結婚したくないらしい。理由は分からないけど色々あるんだと思う。水心子の恋愛観は歳の割には古めかしいもので。セフレの話をした時はそれはもう大変だった。水心子と結婚する子は一生分の幸せが保証されている。だって彼はとても真面目で優しいから。
「女装してもバレると思うけど」
「…それは分かってる。」
「ならどうして?」
「何回か考えたんだ。私なりに。でもいつも同じ答えになるんだ。僕のそばにいるのは君以外ありえないんだ。清麿」
401そう言って僕は幼なじみに土下座された。水心子正秀、彼は僕の長年の幼なじみだ。ちなみに僕も彼も同性だ。いきなり何をと話を聞けば両親に色々とせっつかれてるらしいが水心子はまだ結婚したくないらしい。理由は分からないけど色々あるんだと思う。水心子の恋愛観は歳の割には古めかしいもので。セフレの話をした時はそれはもう大変だった。水心子と結婚する子は一生分の幸せが保証されている。だって彼はとても真面目で優しいから。
「女装してもバレると思うけど」
「…それは分かってる。」
「ならどうして?」
「何回か考えたんだ。私なりに。でもいつも同じ答えになるんだ。僕のそばにいるのは君以外ありえないんだ。清麿」
フスキ
DONE水麿で官能小説家×ヌードモデル、昨日ツイートしてたネタ書きました。健全?です。
官能小説家×ヌードモデル(水麿) ぺら、と紙の擦れる音。朝からあまり見たいものでもない内容の小説を捲るのも起きてから二冊目だ。今日中にあと三冊は読みたいと思うものの、課したノルマにため息が出る。
「水心子、僕そろそろ出るね」
「ああ」
かけられた声に顔を上げて、ずれた眼鏡を直す。この世の誰よりも綺麗な恋人は、ショルダーバッグを肩に持った。
「夕方まで帰ってこられないけれど、ちゃんとお昼食べるんだよ。君は食べなければ活動できないタイプなんだから」
こめかみを撫でられ、くすぐったさに目を細める。大丈夫だと頷くと、彼はそっと微笑んだ。
「……無理しないでね」
離れていく手を掴みたい衝動。必死に抑えて、ああ、と笑った。
恋人、清麿は最後まで心配を表情に宿していた。
2550「水心子、僕そろそろ出るね」
「ああ」
かけられた声に顔を上げて、ずれた眼鏡を直す。この世の誰よりも綺麗な恋人は、ショルダーバッグを肩に持った。
「夕方まで帰ってこられないけれど、ちゃんとお昼食べるんだよ。君は食べなければ活動できないタイプなんだから」
こめかみを撫でられ、くすぐったさに目を細める。大丈夫だと頷くと、彼はそっと微笑んだ。
「……無理しないでね」
離れていく手を掴みたい衝動。必死に抑えて、ああ、と笑った。
恋人、清麿は最後まで心配を表情に宿していた。
フスキ
DONEマネ俳優現パロ水麿、スキンケア用品のCMの仕事が入った話。キスマークつけたよ描写ありますが健全だと思います。
マネージャー×俳優4(水麿) こんなにもやめてくれと思うこともない。水心子は会話が電話なのをいいことに口元を引きつらせた。
「……ええと、それは条件、ということでしょうか」
『条件なんて大仰なものではないのですが、お願い、ということで……』
断りたいが断りきれない、なにせこれは事務所の社長のツテの仕事だ。ソファの隣から黙って視線を送ってくる清麿をうまく見られない。
『では、よろしくお願いしますね!』
明るい声を最後にぷつっと通話は切れた。物言わなくなったスマートフォンを下ろして、はああっと息を吐き清麿の肩にもたれかかる。ほぼ同棲状態の清麿の部屋、テーブルにはコーヒーがミルクの渦を巻いている。
細い指がそっと頭を撫でてくれて、その感触に身を委ねながら清麿に向けて口を動かした。
2676「……ええと、それは条件、ということでしょうか」
『条件なんて大仰なものではないのですが、お願い、ということで……』
断りたいが断りきれない、なにせこれは事務所の社長のツテの仕事だ。ソファの隣から黙って視線を送ってくる清麿をうまく見られない。
『では、よろしくお願いしますね!』
明るい声を最後にぷつっと通話は切れた。物言わなくなったスマートフォンを下ろして、はああっと息を吐き清麿の肩にもたれかかる。ほぼ同棲状態の清麿の部屋、テーブルにはコーヒーがミルクの渦を巻いている。
細い指がそっと頭を撫でてくれて、その感触に身を委ねながら清麿に向けて口を動かした。
フスキ
DONE幼児水麿小説、幼児の成長に絡むお話。すい視点です。後半出てくるすいは短刀くらい。
きみのからだはつめたいのがいい(幼児×通常水麿) ぼくはきよまろが好きだ。
水心子正秀、っていうのは、どうやらもっと大きくてぴしっとしてるみたい。せいふで顕現したときからぼくは子供で、せいふのひとたちはみんなびっくりしていた。
これじゃ戦えない、本丸へおくれない。そう騒いでいるおとなたちの中で、きよまろだけ、わらって手をさしのべてくれた。
『水心子、よろしくね。僕は君を守るために生まれてきたみたいだ』
そんなふうに言ってくれるのはきっととってもうれしいことなのに、ぼくはかなしかった。だってきよまろの身体は、周りのただの人間たちよりもずっとずっと細くって、ぽきって折れてしまいそうだって思ったから。
『ぴよまろのことは、だれがまもるの?』
おっきくひらいたお目目、きれいだったな。ぴんくいろがゆらゆらしたあとで、ゆっくり細められて、君が守ってくれるんだよってだきしめてくれた。
2527水心子正秀、っていうのは、どうやらもっと大きくてぴしっとしてるみたい。せいふで顕現したときからぼくは子供で、せいふのひとたちはみんなびっくりしていた。
これじゃ戦えない、本丸へおくれない。そう騒いでいるおとなたちの中で、きよまろだけ、わらって手をさしのべてくれた。
『水心子、よろしくね。僕は君を守るために生まれてきたみたいだ』
そんなふうに言ってくれるのはきっととってもうれしいことなのに、ぼくはかなしかった。だってきよまろの身体は、周りのただの人間たちよりもずっとずっと細くって、ぽきって折れてしまいそうだって思ったから。
『ぴよまろのことは、だれがまもるの?』
おっきくひらいたお目目、きれいだったな。ぴんくいろがゆらゆらしたあとで、ゆっくり細められて、君が守ってくれるんだよってだきしめてくれた。
フスキ
DONE水麿小説、他人に嫉妬してしまったまろくんがすいくんの本体を抱いて寝ていて、それをすいくんが発見して、のお話。君の嫉妬は醜くない(水麿) 笑顔ってきっととてもいいものだ。笑えるのは本当に素晴らしいことだ。分かっているのにみっともなく足は止まった。
廊下の先のほうで、畑へ向かう水心子が仲間と笑っている。――そんななんでもない当然のこと。そのくせ熱いスープをひっくり返したようなこの心地はなに。
胸を押さえて、死角に入って、必死に呼吸を繰り返した。ばくばく心臓が暴れている。向かうつもりだったのは彼がいるほうだったのに、清麿は駆けるように踵を返した。
――ねえ、その笑顔は。
***
畑へ着いてからだった、ヘアピンを借りるのを忘れていたと気づいたのは。
近頃、ありがたくも手入れ部屋に世話になることがなかったため、横の髪の毛がだいぶ伸びてしまっていて、俯く仕事ではとても邪魔なのだ。
3780廊下の先のほうで、畑へ向かう水心子が仲間と笑っている。――そんななんでもない当然のこと。そのくせ熱いスープをひっくり返したようなこの心地はなに。
胸を押さえて、死角に入って、必死に呼吸を繰り返した。ばくばく心臓が暴れている。向かうつもりだったのは彼がいるほうだったのに、清麿は駆けるように踵を返した。
――ねえ、その笑顔は。
***
畑へ着いてからだった、ヘアピンを借りるのを忘れていたと気づいたのは。
近頃、ありがたくも手入れ部屋に世話になることがなかったため、横の髪の毛がだいぶ伸びてしまっていて、俯く仕事ではとても邪魔なのだ。
フスキ
DONE春鍋さん(@yymnabe)と絵チャで合作させていただいた絵を元にした小説です。特命調査のあと、転送装置への攻撃ですいくんと離れ離れの本丸へ飛ばされたまろくんのお話。別個体(水麿)出ます。
どれだけ離れたって巡り会えるのさ(水麿)「本丸で、また会えたらさ」
水心子はそう言ってはにかんだ。この世に数多の同位体を持つ自分たちだけれど、この彼のことだけは間違うはずがない。
「今度こそいっぱい抱き締めるから、時間をかけて、好きだってこと伝えるから、……そうしたら、それからはずっと一緒にいてね」
泣き出しそうな語尾は転送装置に飲み込まれて消えた。先に本丸へと迎えられていった水心子を見送る。
政府職員が面食らった顔をしていた。これまで二人きりの時以外ではあんな柔らかい話し方をしたことがなかったのに、この施設での最後だったからなのだろうか。
「…大丈夫、すぐに行くよ」
そう呟く。本丸へ向かった水心子に反して、清麿はこれからまた江戸の地に赴くけれど、不安なんて微塵もなかった。
6590水心子はそう言ってはにかんだ。この世に数多の同位体を持つ自分たちだけれど、この彼のことだけは間違うはずがない。
「今度こそいっぱい抱き締めるから、時間をかけて、好きだってこと伝えるから、……そうしたら、それからはずっと一緒にいてね」
泣き出しそうな語尾は転送装置に飲み込まれて消えた。先に本丸へと迎えられていった水心子を見送る。
政府職員が面食らった顔をしていた。これまで二人きりの時以外ではあんな柔らかい話し方をしたことがなかったのに、この施設での最後だったからなのだろうか。
「…大丈夫、すぐに行くよ」
そう呟く。本丸へ向かった水心子に反して、清麿はこれからまた江戸の地に赴くけれど、不安なんて微塵もなかった。