vi_mikiko
DOODLEコ哀ワンドロワンライに参加しようとして遅刻した作品です…お題:ミツバチ
CP:成長コ哀
ちょっと暗いので注意です。
ミツバチ「あ、蜂」
私達は洗い立てのシーツの上で重なりながら、窓の外を見つめた。
長い冬が終わり、気がつけば寝室の空気も生ぬるくなっていた。冬は嫌い。静電気が起きるから。指先がバチッと痛む感触にはどうも慣れず、冬の間は腕を組むのが癖になっていた。その姿勢のままドアを開けてよと顎をしゃくれば、「オメー、女王蜂みてーだな」と彼に言われたことがある。
「ミツバチが巣に運ぶのは蜂蜜じゃないって、知ってるか」
「……ベッドの上で薀蓄を語る男は嫌われるわよ」
「とってきた花蜜を別の蜂に口移しで渡して、初めて蜂蜜に熟成されるんだってよ」
そう言って、彼は唇を重ねてきた。注ぎ込まれたのは蜜ではなく唾液。混ざり合って甘い蜜になればいいのに、舌に感じるのは、毒のような煙草の匂い。
1390私達は洗い立てのシーツの上で重なりながら、窓の外を見つめた。
長い冬が終わり、気がつけば寝室の空気も生ぬるくなっていた。冬は嫌い。静電気が起きるから。指先がバチッと痛む感触にはどうも慣れず、冬の間は腕を組むのが癖になっていた。その姿勢のままドアを開けてよと顎をしゃくれば、「オメー、女王蜂みてーだな」と彼に言われたことがある。
「ミツバチが巣に運ぶのは蜂蜜じゃないって、知ってるか」
「……ベッドの上で薀蓄を語る男は嫌われるわよ」
「とってきた花蜜を別の蜂に口移しで渡して、初めて蜂蜜に熟成されるんだってよ」
そう言って、彼は唇を重ねてきた。注ぎ込まれたのは蜜ではなく唾液。混ざり合って甘い蜜になればいいのに、舌に感じるのは、毒のような煙草の匂い。