yuyushinkaz
MOURNING6月の進化リタグの文章。先に書いてたけど、ボツにしたものです。
お題 ジューンブライド、カラス
「なんとかシンくんに元気になってもらいてえです」
タイジュは独身寮の部屋の窓から外を見て言った。アブトが姿を消し、テオティの手中に居るのだと知ってからのシンの動揺ぶりとひとりで空回る様子をすぐ近くで見ていたハナもその考えに賛成だった。
「シンの好きなものって言ったらオカルト系か……」
ハナビは首を捻る。組んだ腕を外すとテーブルに頬杖をついた。
「どこかで世界の不思議展とかやってませんかね」
タイジュも首を傾げ、テーブルに置いてあったZギアに手を伸ばす。
「夏休み中にどっか行って元気取り戻せたら良いよな」
「そうですね。……あ、妖怪を見られたら元気になりませんか?」
タイジュはキョロキョロと辺りを見回す。
1937タイジュは独身寮の部屋の窓から外を見て言った。アブトが姿を消し、テオティの手中に居るのだと知ってからのシンの動揺ぶりとひとりで空回る様子をすぐ近くで見ていたハナもその考えに賛成だった。
「シンの好きなものって言ったらオカルト系か……」
ハナビは首を捻る。組んだ腕を外すとテーブルに頬杖をついた。
「どこかで世界の不思議展とかやってませんかね」
タイジュも首を傾げ、テーブルに置いてあったZギアに手を伸ばす。
「夏休み中にどっか行って元気取り戻せたら良いよな」
「そうですね。……あ、妖怪を見られたら元気になりませんか?」
タイジュはキョロキョロと辺りを見回す。
yuyushinkaz
DONEモブ目線はなたい。JKの時ほどテンション上げて書けなかったのでポイに載せます。はなたいだけどたいじゅくんはほぼ出てきません。
ボックス席 ベビーカーを畳み、一瞬でも目を離せばどこかへ行ってしまいそうな息子を抱えて電車に乗った。平日の午前中は思ったより人出があった。
ボックス席に空きを見つけ、畳んだベビーカーを押し込んで座った。息子の靴を脱がせ、窓側の座席に座らせる。ふう、と息を吐いて電車に興奮する我が子に目をやった。ドアが閉まり、出発する。
「しゅっぱちゅー!」
大声を上げた息子の口を塞ぎ、シーッと指を口元にやった。
「しーっ?」
そのシーッもボリュームがでかいんですけどね。にこにこ嬉しそうな息子に笑ってしまう。久しぶりに乗った電車は、息子には記憶に残る初めての電車になるのだろう。
次の駅で数人が乗車した。ドサッと目の前に座ったのは派手な服装の男の子だった。大学生かな? と思い、息子の方に気を戻す。いかにも雰囲気が良い男ぽくて、私はそれ以上見るのをやめようと思った。赤い。それになんかチャラい。
2894ボックス席に空きを見つけ、畳んだベビーカーを押し込んで座った。息子の靴を脱がせ、窓側の座席に座らせる。ふう、と息を吐いて電車に興奮する我が子に目をやった。ドアが閉まり、出発する。
「しゅっぱちゅー!」
大声を上げた息子の口を塞ぎ、シーッと指を口元にやった。
「しーっ?」
そのシーッもボリュームがでかいんですけどね。にこにこ嬉しそうな息子に笑ってしまう。久しぶりに乗った電車は、息子には記憶に残る初めての電車になるのだろう。
次の駅で数人が乗車した。ドサッと目の前に座ったのは派手な服装の男の子だった。大学生かな? と思い、息子の方に気を戻す。いかにも雰囲気が良い男ぽくて、私はそれ以上見るのをやめようと思った。赤い。それになんかチャラい。
yuyushinkaz
INFO素敵なにょた さん☆ぴを読んで、そこから考えたはなたいありきのめーちゃん混みの話。の導入だけ。テイクフリーです。むしろ続き書いてください。どうぞ!!!さんぴの導入。「ハナビくん⁉︎」
部屋から飛び出したハナビは、廊下にメーテルが居るのを見てその腕を掴んだ。
「どこに……!」
ハナビは何も言わない。すぐ隣の部屋のドアを開けるとメーテルを引き込んだ。
「タイジュ!」
ハナビの視線の先ではタイジュがベッドでぐったりと力なく横になっていた。駆け寄ると、ゆっくりとハナビを見た。ハナビの後ろで事態を把握しようと忙しなく目をあちこちに向けるメーテルが居た。
「……ハナビくん……」
ハナビはホッとしてベッドに腰掛けた。
「ハナビくん……ハナビくん、こっちに……」
伸ばされた手は、ハナビではなくメーテルに向かっていた。
「ハナビくん……」
「……え?」
メーテルはタイジュを見た。悲しそうに眉を寄せ、涙を流している。ハナビは全く視界に入っていないのではと思う程の、タイジュの縋るようなメーテルへの態度。
2189部屋から飛び出したハナビは、廊下にメーテルが居るのを見てその腕を掴んだ。
「どこに……!」
ハナビは何も言わない。すぐ隣の部屋のドアを開けるとメーテルを引き込んだ。
「タイジュ!」
ハナビの視線の先ではタイジュがベッドでぐったりと力なく横になっていた。駆け寄ると、ゆっくりとハナビを見た。ハナビの後ろで事態を把握しようと忙しなく目をあちこちに向けるメーテルが居た。
「……ハナビくん……」
ハナビはホッとしてベッドに腰掛けた。
「ハナビくん……ハナビくん、こっちに……」
伸ばされた手は、ハナビではなくメーテルに向かっていた。
「ハナビくん……」
「……え?」
メーテルはタイジュを見た。悲しそうに眉を寄せ、涙を流している。ハナビは全く視界に入っていないのではと思う程の、タイジュの縋るようなメーテルへの態度。
yuyushinkaz
MOURNING恋愛しかしてないよこかわしまくんアドバイザー出演
何が書きたいのか分からなくなって放置してたのを供養します。
四人の矢印「タイジュ、ちょっと……今良いか?」
シュミレーター終わりに、人目を気にしながらアブトがタイジュに声を掛けた。
「はい、構わねぇですよ」
アブトの部屋に入る。タイジュはなんだろうと思ってアブトを見た。何か言いたそうに、でも言い出せないような、そんな珍しい雰囲気だった。
「アブトくん、どうしました? 自分、何かやらかしましたか?」
タイジュは少し不安になって尋ねた。
「いや、タイジュの事じゃなくて……その、相談があって」
「相談……ですか、自分に」
タイジュは少し嬉しくなった。あまり人に頼らないイメージのアブトが、シンやハナビではなく自分に相談だなんて。
「どうぞ、なんでも言ってください」
タイジュに笑顔で促され、アブトは意を決したようにタイジュに顔を向けた。
14239シュミレーター終わりに、人目を気にしながらアブトがタイジュに声を掛けた。
「はい、構わねぇですよ」
アブトの部屋に入る。タイジュはなんだろうと思ってアブトを見た。何か言いたそうに、でも言い出せないような、そんな珍しい雰囲気だった。
「アブトくん、どうしました? 自分、何かやらかしましたか?」
タイジュは少し不安になって尋ねた。
「いや、タイジュの事じゃなくて……その、相談があって」
「相談……ですか、自分に」
タイジュは少し嬉しくなった。あまり人に頼らないイメージのアブトが、シンやハナビではなく自分に相談だなんて。
「どうぞ、なんでも言ってください」
タイジュに笑顔で促され、アブトは意を決したようにタイジュに顔を向けた。
yuyushinkaz
DONE短期記憶障害になってしまったタイジュくんと寄り添うハナビくんのお話、から派生したお話。死ネタありますご注意⚠️
(ごめんねタイジュくん!!!涙)
繰り返し 目が覚める。
泣いていることに気づいてまばたきをする。
耳に流れる涙の原因に心当たりがない。怖い夢でも見たのだろうか。
と、アラームが鳴った。
「お、すげぇじゃん」
タイジュに話そう、と思った。
ふと、昨日の朝もアラームが鳴る直前に目が覚めたな、と思い出す。体内時計の正確さに思わず笑ってしまう。
「だからオレの体内時計はすげぇってこと」
笑うハナビに、タイジュは、え? と言う顔をした。
「昨日、寝坊したって言ってませんでした?」
「え?」
「ギリギリ寮を出る時間には間に合ったけど、って言ってました」
そうだっけ、と記憶を辿る。そう言えばそんな事もあったような、と頭を掻いて笑った。
「まだ寝ぼけてるんですか?」
2789泣いていることに気づいてまばたきをする。
耳に流れる涙の原因に心当たりがない。怖い夢でも見たのだろうか。
と、アラームが鳴った。
「お、すげぇじゃん」
タイジュに話そう、と思った。
ふと、昨日の朝もアラームが鳴る直前に目が覚めたな、と思い出す。体内時計の正確さに思わず笑ってしまう。
「だからオレの体内時計はすげぇってこと」
笑うハナビに、タイジュは、え? と言う顔をした。
「昨日、寝坊したって言ってませんでした?」
「え?」
「ギリギリ寮を出る時間には間に合ったけど、って言ってました」
そうだっけ、と記憶を辿る。そう言えばそんな事もあったような、と頭を掻いて笑った。
「まだ寝ぼけてるんですか?」
yuyushinkaz
DONE健全って書かないとRだと思われてしまう題名…(泣き笑い)ハナタイのショートです。
『真夜中は別の顔』
真夜中は別の顔(健全) さっきまでぐっすり眠っていたのに、急に目が覚めた。皆を起こさないようにそおっと布団から出る。立ち上がり、体がまだ眠っているのか少しふらつきながら足を進める。
「わ……っ、とと……」
布団に足を取られ、つんのめりそうになりながら部屋を出た。
部屋に戻ると、隣で寝ていたハナビがアイマスクを外して座っていた。起こしてしまったかとタイジュは焦る。
「ハナビくん」
小声で話しかける。反応がない。眠っているのか?
「……ハナビくん?」
少しボリュームを上げて声をかける。ゆっくりとタイジュの方を向き、目が後から顔を追いかける。タイジュと目が合い、ふ、とハナビは笑った。
「ハナビくん、起こしてしまいましたか? すまねぇです」
870「わ……っ、とと……」
布団に足を取られ、つんのめりそうになりながら部屋を出た。
部屋に戻ると、隣で寝ていたハナビがアイマスクを外して座っていた。起こしてしまったかとタイジュは焦る。
「ハナビくん」
小声で話しかける。反応がない。眠っているのか?
「……ハナビくん?」
少しボリュームを上げて声をかける。ゆっくりとタイジュの方を向き、目が後から顔を追いかける。タイジュと目が合い、ふ、とハナビは笑った。
「ハナビくん、起こしてしまいましたか? すまねぇです」