86mayuri
DONE全文はpixivに上げています。【墜天の王 蔭 11 蜜月】長編修帝小説の一部。追憶。原作軸。翼の団時代の回想シーン。阿修羅×帝釈天
墜天の王 11 その馴れ初めは焦がれて苦く ③.
明け方の白み始めた空は薄ぼやけ、広がる朝霧に遠くの山々は雲海に沈む。
内窓を開け放てば風のない空気は冷涼で、静かに自分の肌を刺そうとしたが、この程度では罰にもならない。
自分でも自覚のない疲労があったのか、行為の後にすぐ眠ってしまったようだ。知らないうちに身なりを整えたのか気が付くと隣で夜着を身に纏う帝釈天が静かに眠っていた。
彼の寝顔を見守る資格すら己にはない。蟠りだけが胸の内を苛むようなそんな後悔を日を跨いでも持越し、横たわる彼の傍にいることが出来なかった。
衣服だけ整え寝台から下りて昨晩と同じ出窓の前に戻ってきてしまった阿修羅は、窓を開けたままでまた同じように茵に胡坐を組んで座る。
「阿修羅」
3766明け方の白み始めた空は薄ぼやけ、広がる朝霧に遠くの山々は雲海に沈む。
内窓を開け放てば風のない空気は冷涼で、静かに自分の肌を刺そうとしたが、この程度では罰にもならない。
自分でも自覚のない疲労があったのか、行為の後にすぐ眠ってしまったようだ。知らないうちに身なりを整えたのか気が付くと隣で夜着を身に纏う帝釈天が静かに眠っていた。
彼の寝顔を見守る資格すら己にはない。蟠りだけが胸の内を苛むようなそんな後悔を日を跨いでも持越し、横たわる彼の傍にいることが出来なかった。
衣服だけ整え寝台から下りて昨晩と同じ出窓の前に戻ってきてしまった阿修羅は、窓を開けたままでまた同じように茵に胡坐を組んで座る。
「阿修羅」
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DONE全文はpixivに上げています。【墜天の王 蔭 11 蜜月】長編修帝小説の一部。追憶。原作軸。翼の団時代の回想シーン。阿修羅×帝釈天
墜天の王 11 その馴れ初めは焦がれて苦く ②.
天域の四季は比較的温暖でだいぶ気候も春めいて穏やかになってきたところだが。窓を開け放って就寝するにはまだ早い。日中の気温とはさすがに違うこともあり、帝釈天が腰掛けていた大きな出窓も今は閉じられている。
正面の窓の外で自由に枝を伸ばす桜の木はちょうど見頃を迎えていた。
商人の邸宅に咲く大きな桃の花も見事だったが、それよりも控えめな色合いの柔らかい薄紅は、彼の白に近い金糸のような髪色によく馴染む。そこで春の景色に溶け込みその一部となったように出窓で羽根を休める彼の中に、季節の移ろいを静かに見守る優しさを見たような気がした。
収まらない怒りをぶつけるまま、仕事を放り出して呆けていたとそう見えていた昼の自分とは、全く異なる見立てになったが。
3033天域の四季は比較的温暖でだいぶ気候も春めいて穏やかになってきたところだが。窓を開け放って就寝するにはまだ早い。日中の気温とはさすがに違うこともあり、帝釈天が腰掛けていた大きな出窓も今は閉じられている。
正面の窓の外で自由に枝を伸ばす桜の木はちょうど見頃を迎えていた。
商人の邸宅に咲く大きな桃の花も見事だったが、それよりも控えめな色合いの柔らかい薄紅は、彼の白に近い金糸のような髪色によく馴染む。そこで春の景色に溶け込みその一部となったように出窓で羽根を休める彼の中に、季節の移ろいを静かに見守る優しさを見たような気がした。
収まらない怒りをぶつけるまま、仕事を放り出して呆けていたとそう見えていた昼の自分とは、全く異なる見立てになったが。
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DONE全文はpixivに上げています。【墜天の王 蔭 11 蜜月】長編修帝小説の一部。追憶。原作軸。翼の団時代の回想シーン。阿修羅×帝釈天
墜天の王 11 その馴れ初めは焦がれて苦く.
「おい!帝釈天!」
引き戸を滑らせ叩きつけるように開け放った。そのせいで扉が壊れてしまうことはなかったが。高く囀る二羽の鳥の声が聞こえた気がした。驚かせたのか忙しない羽音だけを残し、その姿を確認する前にもう飛び去った後のようだった。入室の確認も取らず押し入る来訪者に部屋の主も驚かされたことだろう。
呼びかけた相手は兵糧や武具の管理のため各所からの在庫の書き出し報告を受けて確認し、調整を考えている最中のようだ。
この、ようだったというのも。言い切れないところがあるのは、彼が紐の解かれたおさえ竹のみを右手で軽く膝に乗せた状態で、外を眺めていたように見えたからだった。
尾紙まで長く広げられ軸も放り出された長い巻物は回転が止まるまで放っておかれたのか床に悠然と河川を敷き、自由に転がっているだけ。
4233「おい!帝釈天!」
引き戸を滑らせ叩きつけるように開け放った。そのせいで扉が壊れてしまうことはなかったが。高く囀る二羽の鳥の声が聞こえた気がした。驚かせたのか忙しない羽音だけを残し、その姿を確認する前にもう飛び去った後のようだった。入室の確認も取らず押し入る来訪者に部屋の主も驚かされたことだろう。
呼びかけた相手は兵糧や武具の管理のため各所からの在庫の書き出し報告を受けて確認し、調整を考えている最中のようだ。
この、ようだったというのも。言い切れないところがあるのは、彼が紐の解かれたおさえ竹のみを右手で軽く膝に乗せた状態で、外を眺めていたように見えたからだった。
尾紙まで長く広げられ軸も放り出された長い巻物は回転が止まるまで放っておかれたのか床に悠然と河川を敷き、自由に転がっているだけ。
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DONEpixivにまとめてある長編修帝小説の一部抜粋。追憶。原作軸。全体の内容調整で今回新たに追加したもの阿修羅×帝釈天
天魔×天人の王
墜天の王 3 蓮池の回想.
「貴方も入ったらどうだ。阿修羅」
池の中心から、手鞠を転がしたような軽やかな声が響いた。
白い脚が歩を進める度、衣が尾を引き水面を揺らめかせ広がる輪が夢幻に惑わせていたためか。その音が紡ぐ自分の名に気付きやっと目線を上げると、半身を水から出し白い薄衣を軽く羽織るだけの友人が、こちらを見ていた。
王城の傍ら、御膝元に堂々と居を構える貴族の敷地は、足を踏み入れることも躊躇われる豪勢な造りであるかに思えたが。
静けさを好む彼の趣向からだろうか。ここは、柔らかい風が運ばれ鳥の囀りに耳を澄ませながら、自然との調和に時を委ねるような優しい空間だった。だから居心地が良くてついぼんやりしてしまったのかもしれない。
3234「貴方も入ったらどうだ。阿修羅」
池の中心から、手鞠を転がしたような軽やかな声が響いた。
白い脚が歩を進める度、衣が尾を引き水面を揺らめかせ広がる輪が夢幻に惑わせていたためか。その音が紡ぐ自分の名に気付きやっと目線を上げると、半身を水から出し白い薄衣を軽く羽織るだけの友人が、こちらを見ていた。
王城の傍ら、御膝元に堂々と居を構える貴族の敷地は、足を踏み入れることも躊躇われる豪勢な造りであるかに思えたが。
静けさを好む彼の趣向からだろうか。ここは、柔らかい風が運ばれ鳥の囀りに耳を澄ませながら、自然との調和に時を委ねるような優しい空間だった。だから居心地が良くてついぼんやりしてしまったのかもしれない。
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PASTpixivにまとめてある長編修帝小説の一部抜粋。追憶。唯一まともに原作軸っぽい文天魔×天人の王
墜天の王 7 序文.
巍々たる宮殿に据えられた王の宮室にしては広いだけで飾り気なく、無機質な部屋だと思っていた。透き通るように潔癖な白壁が温度を感じさせず、妙な違和感を与えるためだろう。
雑念に囚われぬよう虚ろな空間に身を置きたかったのか、はたまた心此処に非ずの感情の表れか。
天帝の臥所に無断で立ち入ることに躊躇もない風体の、言うなれば実体すら曖昧なその影は音もなく天蓋の内側に現れると、王城の主の傍らに立ち、見下ろす。
「どうした、陛下。気分でも優れないのか」
敢えてそう呼ぶのは昔彼を敬っていた気持ちとは別の所にあった。
許可のない突然の拝謁に驚く様子も見せず王は顔を上げて声を投げた相手に視線を送る。元より近衛兵を呼ぶわけでもなく来訪者を迎え入れる気構えのようだ。
3785巍々たる宮殿に据えられた王の宮室にしては広いだけで飾り気なく、無機質な部屋だと思っていた。透き通るように潔癖な白壁が温度を感じさせず、妙な違和感を与えるためだろう。
雑念に囚われぬよう虚ろな空間に身を置きたかったのか、はたまた心此処に非ずの感情の表れか。
天帝の臥所に無断で立ち入ることに躊躇もない風体の、言うなれば実体すら曖昧なその影は音もなく天蓋の内側に現れると、王城の主の傍らに立ち、見下ろす。
「どうした、陛下。気分でも優れないのか」
敢えてそう呼ぶのは昔彼を敬っていた気持ちとは別の所にあった。
許可のない突然の拝謁に驚く様子も見せず王は顔を上げて声を投げた相手に視線を送る。元より近衛兵を呼ぶわけでもなく来訪者を迎え入れる気構えのようだ。
PixelNight
DOODLE【修帝】①帝释天醒来时很苦恼,原因是他昨晚不让进屋的阿修罗正躺在他身旁,两只手搂着他热得要命,那根东西还硌着他的屁股。
昨天二人少有地吵架了,以往这种情况大多是阿修罗先去找帝释天,毕竟他深知爱人生气时总是一个人闷着,还会胡思乱想,到最后心疼的还是自己。不过这一次阿修罗真的“生气”了,他也想让帝释天来哄哄他,所以白天的时候帝释天问他话他都没怎么搭理。
结果不仅没等到漂亮老婆来求和,晚上连卧房都没能进去。
当然,小沙发哪里够他睡的,估摸着帝释天差不多睡沉了,又半夜偷摸溜进了卧室。快两米的大个子小心翼翼怕吵醒老婆的样子,实在是有些滑稽。看着帝释天熟睡的脸庞,阿修罗觉得心都软了,只想把人揉进自己怀里。他心里这么想着,实际上也这么做了。
2526昨天二人少有地吵架了,以往这种情况大多是阿修罗先去找帝释天,毕竟他深知爱人生气时总是一个人闷着,还会胡思乱想,到最后心疼的还是自己。不过这一次阿修罗真的“生气”了,他也想让帝释天来哄哄他,所以白天的时候帝释天问他话他都没怎么搭理。
结果不仅没等到漂亮老婆来求和,晚上连卧房都没能进去。
当然,小沙发哪里够他睡的,估摸着帝释天差不多睡沉了,又半夜偷摸溜进了卧室。快两米的大个子小心翼翼怕吵醒老婆的样子,实在是有些滑稽。看着帝释天熟睡的脸庞,阿修罗觉得心都软了,只想把人揉进自己怀里。他心里这么想着,实际上也这么做了。
Lrckilig
DOODLE修帝 哪管星霜叔修x嫩帝
修大概三十三岁 帝十八岁
1.
帝释天放下手中的果汁,无聊的靠在墙边看着觥筹交错的人们,再一次后悔答应家人出席这个宴会,真的是太无聊了。
忽的,他看见有一小群人聚集在一起,中间好像簇拥着什么人,他有些好奇,踮脚妄图看清楚那里的情况。
阿修罗刚不动声色的对付完围上来想攀关系争取利益的人们,就看见一个金发碧眸的少年正向他这边看,他拨开人群,礼貌性的朝少年笑了笑。
帝释天脸有些红,他心脏砰砰跳,不由自主的朝男人走去。
阿修罗没想到少年会径直朝他走来,他记得这个少年是天域集团家的小公子,还是谨慎一点好。
“晚上好,先生,我是帝释天。”帝释天笑得很甜,抬头仰望着高他许多的男人。
“阿修罗。”
4721修大概三十三岁 帝十八岁
1.
帝释天放下手中的果汁,无聊的靠在墙边看着觥筹交错的人们,再一次后悔答应家人出席这个宴会,真的是太无聊了。
忽的,他看见有一小群人聚集在一起,中间好像簇拥着什么人,他有些好奇,踮脚妄图看清楚那里的情况。
阿修罗刚不动声色的对付完围上来想攀关系争取利益的人们,就看见一个金发碧眸的少年正向他这边看,他拨开人群,礼貌性的朝少年笑了笑。
帝释天脸有些红,他心脏砰砰跳,不由自主的朝男人走去。
阿修罗没想到少年会径直朝他走来,他记得这个少年是天域集团家的小公子,还是谨慎一点好。
“晚上好,先生,我是帝释天。”帝释天笑得很甜,抬头仰望着高他许多的男人。
“阿修罗。”