通う者 二人別々で修行していたときのこと。突如、鉄の匂いが鼻を掠めた。身体を見てみても擦り傷がある程度で、特に異常はない。まさかと思い父へ視線を向ければ、やらかしたとばかりに尻餅をついていた。
慌てて近寄ると胸から腹にかけて服が焼け落ちてしまっている。露出する肌からは血が滲んでいた。
「大丈夫ですかっ!?おとうさん…!!」
「ああ平気だ、上手く避けきれなかっただけだ。」
恐らくエネルギー弾を自分に向けて発射していたのだろう。それを避けようとして、失敗しただけのようだ。痛がる様子も見せないのでひとまずはほっとする。しかし心配が不要になったことで、ふつふつと別の考えが湧いてきた。
呼吸に上下する胸腹部、運動後でかいた汗、疲労に吐き出されるか細い声。…色っぽい、そう思う自分がいる。事後を思わせる姿にボクは密かに欲情し始めていた。
一つ違うのは、父から血が出ている…つまり怪我をしている点だ。放っていいはずがないのに、何故だか今のボクにはご馳走に見えた。変身して昂っているからだろうか。…そういえば超サイヤ人の伝説に、血と戦闘を好む戦士だとか言われていた気がする。そのせいにしておこう。
「おとうさん、血が…」
「ん〜?放っといてもその内止まるだろ。大したことねえし。」
「…ボクが消毒してあげますよ。」
「へ?消毒?」
父の大股に割り込んで腹辺りを見下ろす。最初滲んでいただけの血は、いよいよ腹を濡らしてしまっている。
ボクの半身とも言える液体。この世でたった一人、ボクだけが分けて貰えたもの。そう思うと愛おしくてたまらない。顔を寄せて軽く吸い上げた。
「な、何やってんだ!?」
「だから、消毒してあげるんです。」
「いいって、汚ねえからっ」
「おとうさんのだから汚くないよ♡」
制止を無視して舐め上げると、甘い味が舌に乗ってボクを楽しませる。ボクの身体に父の一部が溶け込むのだ。恍惚とする気持ちに喜びを隠せない。それに満足してか、いつの間にか情欲は消えて、ただ父と一体となりたいがために飲み続けた。
「うー……」
「…痛くない?おとうさん。」
「それは、大丈夫だけど…」
「ボクが好きでやってるから大丈夫…だからもっと舐めさせて…♡」
「………」
もう何を言っても聞かないと判断したらしく、父は力を抜いた。腹筋の割れ目を舌でなぞるとびくびく震えて、とても可愛い。
その後も反応を楽しみながら味わっていたが、ほとんどを舐め終えた頃には、もう血は出なくなっていた。
「ん……止まったみたいですね」
「はー……もういいだろ?オラくすぐってえよお」
「はい、でももうちょっとだけ…」
「えぇ?」
腰の後ろを撫でながら吸い付き、キスを落とす。この人は…この血はボクだけのもの。父の血筋を継ぐ者は今後もボクだけあればいい。そう願いを込めてから口を離した。
「ン……ッ、はぁ…。悟飯が何にこだわってるのか知らねえけどよ、オラはちゃんと元気だぞ?」
「おとうさんの子どもで嬉しいだけですよ。」
「んん…??」
息子の不審な行動にも結局付き合ってしまう父に微笑んで、休憩の昼寝に誘うのだった。