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    しろ(稀夢)

    小説担当のしろです

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    しろ(稀夢)

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    バンドパロ設定五夏
    転生した二人の話
    ※話を進める上でモブも喋ります

    夢永〜ゆえ〜(仮)「どこにいるんだよ…傑…」

    俺は五条悟
    天才最強呪術師!…だった
    前世はね
    今の俺は中学生で普通の中学に通ってる
    もちろん呪霊は見えないし呪力も無いし術式も存在しない
    そもそも術式反転ってなんだよ(笑)
    あ、普通の中学に通ってるけど
    やっぱり俺って最強で
    顔はイケメンだし、リーダーシップはあるし(人生は2周目だし)
    相変わらずモテモテで女の子はもちろん、男からも信頼されちゃって…
    たまに妬まれてめっちゃ恨まれるけど!
    ご愛嬌!

    そんなことより!
    記憶が戻ってからずっと傑を探しているんだが
    見つからない
    小6の時に付き合ってた女の子にキスされそうになった瞬間に前世の記憶が戻って
    ファーストキスは守り抜いた!
    …その時の話はまた今度しよ
    俺は早く傑に会いたいんだけどなかなか会えずにいる
    俺の勘からすると傑も転生してると思う
    昔みたいに残穢を感じるわけじゃないけど
    俺の中の何かが傑が存在していると言ってる
    傑に会いたい
    2人で過ごした日々を思い出す
    気持ちが募れば募るほど頭の中に浮かぶ言葉やメロディ
    物心ついた頃から言葉やメロディが溢れていて
    今世の俺は音楽で最強ってことなのかな?
    いつも自作の鼻唄を歌ってる子供だった

    「♪〜」

    思い出される
    『ただこの世界では私は心の底から笑えなかった』 

    今世は俺の作る音楽でお前を笑顔にしてやるよ

    しかし…
    曲を作るには困らない
    頭に言葉もメロディも浮かんでくるからね
    でも俺は楽器が弾けない
    まぁまたま中学生だし!そうゆう環境にいねーし!
    …弾けるメンバーでも探すか
    バンドとか組んだり…
    運良く七海とか灰原辺りが転生してないかな
    そんな都合の良い話無いか

    近所にあるスタジオに足しげく通ってバンドメンバー募集の掲示板を見るのが日課になっている
    ボーカル募集の書き込みは無い
    そりゃあ…そうだよな
    他のメンバーは割と募集してるんだけどな
    クッソ…ギターでも始めてみるか?

    「おい、お前ここでメンバー探してるのか?ここんとこ毎日来てるな」
    「あ、あぁ」

    さすがにここのスタジオの主人に顔覚えられてたか
    まぁ、俺のこの見た目じゃな

    「なんの楽器やってるんだ」
    「…ボーカル…希望」
    「それはなかなか難しいな(笑)お前も書き込んで行くか?」
    「…いや、いい」
    「お前、確かに顔も声も良いからボーカル向きだな」
    「…」
    「そうだ、ライブとか行ってみる気あるか?」
    「?」
    「知り合いがチケット捌けってノルマがあるんだよ、お前が行くなら1枚やるよ」
    「…行く」

    ーーー

    何もしないより良いよな
    行動あるべし
    って、来たは良いけど
    中学生ってライブハウス1人で入れるんだよな?
    うわ…入口狭っ…キャパ300位って書いてあったもんな
    ここてまチケット出すのか?

    「すんませー…」
    「ドリンク代600円」
    「え、」
    「は?チケットにドリンク代別って…」
    「しょーこ??」
    「…?げっ…おま、五条じゃん」
    「すっげ…マジか!」
    「なんだよ、転生してもGLGってか?(笑)」
    「あったりめーだろ!ってか!硝子!他にも誰か…」
    「いるよ、七海とか灰原とか虎杖、伏黒…」
    「マジか!あ、あの…!」
    「…夏油なら知らないぞ」
    「そ、そっか…」
    「あれだけの事したんだ、転生は難しいかもな」
    「…でも、あの事だって考えようによっては…」
    「五条」
    「…」
    「今は呪霊も呪力もない世界だ、昔の事は忘れて楽しく生きろ」
    「…そ…そうだな」

    でも…俺は傑がいないと…

    「今日七海たちのバンド出るよ」
    「え、マジ?!」
    「七海がギターで灰原がドラム」
    「ぽい!」
    「だろ?私も始まる前にココ変わってもらう様にするからドリンクの辺りで待ち合わせよう」
    「ドリンク…のところ?」
    「なに、お前知らないで来たの?」
    「ライブハウス初めて」
    「出たよ、坊っちゃん」
    「今世は坊っちゃんじゃねーわ、まだ中学生なんだから仕方ねーだろ」
    「げっ、お前またま中坊?(笑)デカい中坊だな」
    「うるせー」
    「じゃ後でな」

    硝子…
    昔とあんま変わって無かったな
    なんかロックなお姉さんだったけど!
    ピアスじゃらじゃら付けてインナーカラー金髪入れてたな
    七海も灰原も悠仁も恵もいるのか…
    傑…
    転生してないのか…?

    ライブが始まるちょっと前に硝子が来てくれてドリンクを引き換えてくれた
    今日のライブは対バン制で色んなバンドが出るらしく
    ここのライブハウスは硝子が経営していて
    七海と灰原も俺より年上で社会人バンドをやってるって硝子が教えてくれた
    ライブが終わったら打ち上げすると思うからと言われたから会うだけと思って参加することにした

    ーーー

    「えっ!?ご、五条さんですか?!確かに顔が良い!そのままだ!」
    「ウソだ…」
    「こんなGLG他にいねーだろ!?」
    「お前らのビックリ顔…(笑)」
    「家入さんが急に打ち上げに人呼ぶなんて言うから誰かと思ったら…!」
    「いやー本当にビックリしました!先輩が年下になってて!え、五条さん!夏油さんは?!」
    「…」
    「…」
    「!…い…今、探してる…お前らももし見かけたら俺に連絡ちょうだい、これ連絡先」

    ー静まり返る5人

    「今日はお前らに会えて良かったよ、じゃまたな」

    ー去っていく五条

    「…灰原〜!!」
    「ご、ごめん!七海!」
    「一瞬時が止まったかと思った…」
    「ごめんって!」
    「はぁ…アイツ…拗らせてっからなー…」

    ーーー

    さすがにアイツらも知らないか…
    でも
    呪術師やってた奴らがこんなに音楽関係の仕事やってるなんて
    なんか転生条件でもあるのか?
    傑も転生してるなら絶対何か音楽やってる気がする!
    とりあえず毎日スタジオに通う事は続けて
    ライブハウスにもたまに顔出す事にするか!

    ってでもそんな簡単じゃないよな
    硝子、七海、灰原に会うまでたって14年かかったんだ
    これから何年かかるかわかんないけど
    俺は絶対に傑に会う!!

    ーそれから2年

    なんの成果もなく2年が経った
    成果と言えば俺は中学を卒業して高校生になり楽器店でバイトを始めた
    少しでも何らかの可能性を作るためだ
    四六時中ナンパされて鬱陶しいけど
    店長が売上が上がったとか喜んでいた
    そういや!
    店長が休みの時に先代の店長が来るって言ってて
    当日来たのが楽巌寺のおじーちゃんだった時は笑ったね(笑)
    腰抜かしてたな
    俺もビックリしたけど
    転生してもまたおじーちゃんかよ(笑)

    店には何度か硝子、七海や灰原が来てくれたけど
    傑は現れない
    情報も全く無い
    早くお前に会わないとお前に作った曲100曲越すぞ…
    増えて増えて仕方がない
    あと…
    作り溜めた歌を披露するのにバンドやろうとメンバーを探しても見つからない
    楽器店で働いて楽器触ってる内に段々弾ける様になってきちゃったし…
    相変わらず天才かよ、俺は
    運良くバンドに入れて貰えても俺の才能に嫉妬してかすぐ外されるし
    下手すぎて俺が聞いてらんない
    そもそもギターもベースもドラムもそんなに難しくねぇだろ?
    ボーカルの俺のがうまく弾けるってもうバンド組む意味なくね?

    「はぁ…」

    でも何か行動してないと…
    傑に一歩でも近付いてると思いたい

    「あのーすみませーん」
    「…はい?」
    「注文してた物取りに来たんですけどー」
    「!!お、お前ら…!」
    「…は?」

    こいつら!
    傑の側にいた双子の女の子じゃねーか!
    マジか!嘘だろ?!
    千載一遇のチャンスか…!?

    「あのさ君たち…」
    「なに?ナンパならお断りなんだけど」
    「いやいや!ナンパじゃなくて…」
    「美々子知り合い?」
    「知らない」
    「お前らさ、双子だろ?」
    「は?双子のわけないじゃん、美々子のが100倍可愛いし」
    「うぅん、菜々子のが可愛い」
    「じゃ2人共可愛いってことにしよ!」
    「うん」

    今世は双子じゃないのか?
    しかも前世の記憶無いなコイツら…
    もしや呪術師は記憶があるけど
    呪詛師は記憶が無い、とか…?

    「って!そんなんどーだって良いんだよ!俺、傑を探してて…!」
    「え、なに?アンタも傑様のファン?」
    「す、すぐる…様?」
    「そ!あたし達の推し!ここの店で頼んでたベースストラップ、2人のバイト代で作ってもらったの!オリジナルデザインなんだから!」
    「そう、今度の結成3年目のプレゼント」
    「ね!もういつデビューの話が来てもおかしくないんだけど…まぁ、他のメンバーが…ね」
    「ね…」
    「アンタ結成ライブは来るの?」
    「い、行きたい!!」
    「来月12月24日、だよ?」
    「じゅ、12月24日?!」
    「チケット売ってあげる、捌く用に多めに買っておいたから」
    「マジ?!」

    まだ確信は無いけど!無いけど!!
    傑だ、きっと!
    12月24日って!
    運命を感じざる得ない…!
    硝子と七海と灰原には報告だ!

    ー12月24日

    「あー!緊張する!!」
    「なんで五条が緊張するんだよ(笑)」
    「だって!傑に会えるかも知れないんだぞ!」
    「あんまり期待しない方が良いですよ、違った時の気持ちの落差キツイですから」
    「そんな事無いよ七海!きっと夏油さんだよ!」
    「だよな!灰原!」
    「はい!自分も夏油さんだと思います!」
    「よっしゃあ!」
    「灰原…あんまり五条に期待持たせないでやってくれ…違った時慰めるのめんどいよ」
    「大丈夫ですよ家入さん!こんなに五条さんが会いたがってるんですから夏油さんも会いたいはずですよ!」
    「…はぁ…あっちに記憶があるかわからないだろ」
    「それは…そうですけど…」
    「家入さん…灰原も会いたいんですよ、夏油さんに」
    「はい!会いたいです!」
    「いーや!俺のが会いたいね!」
    「そうですね!五条さんには負けます!」
    「…早く中入りましょう、整理番号も呼び終わりましたし…ここで騒いでると邪魔になります」
    「行くぞー!お前ら!」
    「やめろ…私たちを五条一行にするんじゃない」
    「五条一行ファイヤー!」
    「ファイヤー!」
    「ノるんじゃない灰原、いくつになったんだお前」
    「気持ちは永遠の16歳です!」
    「はぁ…頭が痛い…」

    「ドキドキしてきた!」
    「ほー結構入ってるじゃないか、ほぼ女子だな」

    「さとる!」
    「おー!菜々子、美々子!お前ら最前にいなくて良いの?」
    「うん、前座のバンドあるから!それ終わったら最前突っ込む」
    「バンギャ怖っ(笑)」
    「ライブ終わったらまた合流しよ、またね」
    「おう」

    「五条さん…あの双子…」
    「今世は双子じゃないらしい、記憶も無かった」
    「…」
    「仲良いですね!ナチュラルに女子高生になじんでましたよ五条さん!」
    「俺リアルに男子高校生だから、アイツらとタメ」
    「天才最強呪術師の教師が今はただの高校生だもんな(笑)ただのクソガキじゃん」
    「うるせー!」
    「騒がない騒がない…後ろにいましょう、ファンは若い女性が中心ですから身長の高い我々は邪魔でしょう」
    「さすが七海!紳士だなー!」

    ーーー

    開演まであとちょっとか…
    前座があるって言ってたから実質もう少しじかんいるか…
    あー!本当に傑だったらどうしよう!
    平常心でいられるかな?!
    16年…いや、前世から数えたら何十年も会いたかったんだぞ!?
    緊張してきたー!!

    「…五条さん、大丈夫ですか?」
    「ほっとけ、七海」
    「前座始まってるのに気付いてなさそうですね!」
    「もう頭おかしくなってんだろ、それは元々か…」
    「毒舌…」

    ハッ!
    なんか周りがうるせーと思ったら始まってたのか!
    だがお前ら前座に用はねぇんだよ!
    はぁ…違ったらまた初めからやり直しか…
    いや、でも!俺はあと何年かかったって傑に会うぞ!
    ジジイになってからでも良い!
    老け顔だったアイツがジジイとか…
    どんだけ老けんだよ

    「落ち込んだり…笑ったり、情緒がおかしい」
    「ほっとけって」
    「始まりますよ!!」

    ー湧き上がる歓声、ライトに照らされながら現れるメンバー達

    「…」
    「…」
    「ご!五条さん!!」
    「なっ!なんだよ!ビックリすんだろ!」
    「え、だって!夏油さんですよ!あのベース!!」
    「ええぇっ?!」

    す、傑?!
    マジで!?

    「傑様〜!」
    「いつもありがとうね、美々子、菜々子」
    「キャー!早速ファンサ!」

    傑だ…
    傑だ!傑だ!傑だ!
    また髪伸ばしてんのか
    同じだ、昔と変わらない…
    やっべ…胸が痛くなってきた
    涙が出そうになって苦しい…
    お前…めっちゃベース顔だな
    ベース似合いすぎだろ
    良い音だ…うまいな…
    うわ、傑だ…傑…!
    会いたかった…!!

    「まさか…本当に夏油だったな…」
    「変わってなくてビックリしましたね」
    「夏油さん相変わらずカッコイイなー!ベース似合ってますよね!ね、五条さん!」
    「ー!!」
    「七海!五条さん全然聞いてないよ!」
    「無理ですよ…あの人が何十年会いたかったか…」
    「あー!僕死んでたからわからないのか!」
    「…灰原〜!」
    「ごめんごめん!七海!」
    「ジョークが重いなお前ら(笑)良かったな五条…ん?五条?」
    「あ!七海!五条さんが!」
    「え?」
    「あのバカ…!」

    傑…!
    もっと近くで見たい!
    傑!傑!!

    「ぅお…さとる?!生の傑様見たら最前来たくなった?」
    「…さとる?」
    「傑!!」
    「あ、こら!さとる!」

    「傑!!」
    「え…っ?」

    ー突如止まる演奏

    「バカさとる!早くステージから降りろ!傑様に迷惑がかかってる!!」
    「初めて見た…ステージ上で抱きつくファン…」

    ハッ!やっべ!
    テンション上がって俺、ステージ上に…!!

    「…おい、傑…お前の知り合い?この常識知らず」
    「いや、知らないけど…君、誰?」

    やっぱり…記憶が無いのか…

    「離れてくれる?ライブ中なんだけど?」
    「すぐる…」
    「おい!このガキ!追い出せ!」

    ーーー

    「…」
    「五条〜!」
    「体が…勝手に」
    「はぁ…お前なぁ…ビックリしたわ」
    「ごめん硝子」
    「…良かったな…会えて」
    「…うん」
    「泣くなバカ」
    「硝子だって!」
    「泣いてねーよ」

    傑が…存在してた!
    嬉しい!
    でもめっちゃ怒られて外に出されちゃったけど…
    最後出待ちしてればもう一回見れるよな!
    七海と灰原が残って見てくれてるけど
    俺も見たかった!
    何やってんだよ!俺のバカ!
    全然変わらなかったな…傑…
    抱きついた時めっちゃ良い匂いした…

    「やっぱり…呪術師は記憶があるけど呪詛師は記憶が無いのか?…わかんないな」
    「何なんだろうな…まぁ良いよ、傑がいたんだ」
    「…盲目だな」
    「はぁ…」
    「こっちが溜息だわ」
    「ごめんって」

    ーーー

    「五条さん!ビックリしましたよー!」
    「まったく、あなたって人は…」
    「傑!どうだった?!」
    「演奏が止まった後すぐに立て直して…いやー!夏油さんうまかったなー!ベース!僕達のバンドに誘いたいくらいだよね!七海!」
    「うちのベースわーどうするつもりですか(笑)誘いませんがうまかったですね、あの人も色々器用にこなす人でしたもんね」
    「あーあ、私も見たかったなー夏油の演奏」
    「俺だって見たかったって!」
    「お前のせいで追い出されたんだが?五条」
    「…はい」

    「さとるー!マジビックリしたんだけど(笑)さすがに笑ったわー!」
    「もう…傑様に迷惑かけて…!」
    「ごめんなさい!」
    「出待ちしてんの?」
    「…い、一応…」
    「ほら!店で頼んだプレゼント!」
    「あれ、お前らプレボに入れなかったん?」
    「出待ちして直接渡すに決まってんじゃーん!あたし達傑様に認知されてんだから」
    「…」
    「ジト目やめろし」

    「五条さんが女子高生と盛り上がっている…」
    「同級生だからな、そういや夏油って何歳なんだろうな」
    「僕達より上かな?」
    「ま、私よりかは下だな」
    「家入さん…何歳なんですか?」
    「…七海…お前、女に年聞くような野暮な男になったのか」
    「…スミマセン、失言でした」
    「わかればよろしい」

    「キャー!傑様!!」
    「今日もありがとうね2人共」
    「これ!プレゼント!3周年目のプレゼント受け取って下さい!」
    「ありがとう、あとで見るね」
    「はい!今日もありがとうございました!」
    「またライブ来てね」
    「はいっ!!」

    バタンッ
    ーあっという間に車に乗ってしまい窓から手を振る傑、車はすぐに発車してしまった

    傑…行っちゃった…
    いや、でも会えた!
    転生してる事はわかったんだ!
    これで探す事はしなくて良い
    会いに行けば良いだけだ!
    待ってろよ…!傑!!

    ーーー

    「はっくしょん!」
    「なんだよ風邪か、傑」
    「いや…鼻がムズムズして…」
    「今日のあの傑ファンの男なんだったんだ?」
    「知らないよ、ビックリした」
    「傑って変なファン多いよな」
    「結婚指輪の?」
    「そうそう!」
    「出待ちのファンが結婚指輪差し出してきてさ」
    「もうよしてくれよ、その話は」
    「あんなに目が合ってこんなに好きなのにどうして結婚してくれないの!ってな(笑)」
    「次のライブ後の出待ちでナイフ持って待ってたけどな(笑)」
    「やめてくれ…」
    「お前どんだけヤバい奴ホイホイだよ(笑)」
    「はぁ…」
    「ミミナナも相当痛いファンだけど…まあかなりマシな方か」
    「彼女らは痛くないだろ」
    「そうか?傑のファンは痛いの多いからなー」
    「うるさい」
    「3周年だからプレボ多かったな」
    「やっぱり傑のが1番多いな」
    「まあね、…ん?」
    「どうした?」
    「なんか…CDだ」
    「はぁ?なんだよ俺たちに挑戦状か〜?」
    「まさか」
    「どうする、傑に愛を伝えるメッセージとかだったら(笑)」
    「CDで?生音声?それは…怖いな…」
    「聞いてみようぜ!」
    「Dear S、From S…?…これ、歌詞か?」


    『夢永〜ゆえ〜』

    果てのない時間(とき)貴方を想っていた
    追憶の日々 あの日に戻りたい
    S.O.S いつから引き返せなくなった?
    赤い糸は存在していなかったの?

    Call me 貴方の声が聞きたい
    一人にしないで 僕はこんなにも弱い
    ずっと僕の側にいて欲しかった
    作られたこの世界 壊してしまおう

    aim at Utopia 貴方とのUtopia
    置き去りにしないで そばにいて
    二人きりのUtopia 迷っていさせて
    まだそこにあるUtopia

    両目は奪われて何も見えない
    忘れじの日々 遠くへ行かないで
    S.O.S 僕の声は君に届いていない?
    螺旋の髪に貴方の愛情重ねさせて

    Rhapsody 僕だけの真実を聞いて
    二人でいたい 僕はもっと強くならなければ
    心許せる君に 歌い続けていたい
    夢とは醒めるまでが夢

    aim at Utopia 僕らのUtopia
    一人歩き出す後ろ姿 見えなくなる
    境界のUtopia 手繰り糸付け忘れて
    離れていくUtopia

    Desire…Kiss me…Forever…
    白と黒
    笑顔と嫉妬
    優美なTragedy

    aim at Utopia 貴方とのUtopia
    置き去りにしないで そばにいて
    二人きりのUtopia
    いつまでも迷っていたい

    aim at Utopia 二人のUtopia
    償わせて「許せない」
    その報い 聞かせてほしい

    僕は目隠しのまま
    貴方の香りに溺れる

    僕からのLove song
    届いたなら
    貴方のLove song
    どうか返して

    Desire…
    I Love you Forever
    Kiss me Forever
    Rhapsody in you


    ーーー

    「挑戦状ってゆうか…」
    「え…すっげ…なんだこの曲の完成度…」
    「おい傑」
    「…え?」
    「お前なに泣いてんだよ」
    「…?あれ?」
    「感動しすぎだろ(笑)」
    「いや別に感動したわけじゃ…」
    「しかもコイツ良い声してんな!」
    「うちの空気読めないボーカルと交代じゃね?」
    「おい…」
    「いや!マジでそれあるな!」
    「探そうぜコイツ!」
    「おい…お前ら…」
    「もしかしてステージに上ってきた傑ファンの男じゃね?」
    「アイツか?!」
    「おい、勝手に盛り上がるなって!今ボーカルいるんだから…運転も…してくれてるし」
    「何言ってんだ、傑も思ってんだろ?あの凡庸なアイツがボーカルの限り俺たちのデビューは無い!曲も作れないアイツはお荷物なんだよ」
    「俺たちが欲しいのは運転手じゃない、才能がある花があるボーカルだ」
    「…」
    「よーし!コイツ探してデビューに漕ぎつけようぜ!」


    《続》
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