ご都合呪霊が発生しました①廃ラブホにいた呪霊立入禁止の看板が立つ建物で止まる車
降りてくる人物が二人
「なーんでたまたま空いてるからってこんなとこ来なきゃなんねーんだよ」
「す、すみません…五条さん」
「…お前ら補助監督に謝られても意味ねーんだけど」
「すみません…すみません…」
「ちっ…」
(高専からは近かったけど一人任務だし、つまんねー)
「てか!廃ラブホなら全部壊しちゃえばいーってこと?」
「いえ…近隣の建物に危害が加わると困るので呪霊だけ祓えとの上からの命令です」
「はー?建物ごとのが簡単じゃん!じゃあ他の奴に頼めよなー!めんどくせー!俺ちまちまする仕事嫌いなんだよね!」
ー次の日ー
(はー…昨日の呪霊めんどかったわー…ちょこまか逃げ回るし無駄に時間かかったし、痛っ…なんか今日朝から頭は痛いし肩は重いし…あーサボりてー)
「おはよう悟」
「ギリギリじゃん五条」
「はよー…頭痛ぇーんだよ」
「へー君が頭が痛いなんて雨でも降るんじゃないか?」
「ははっ、確かに」
「ちっ…うるせーなー」
(ん?あれ、硝子ってこんな胸あったっけ?ビキニとか着たら…)
ぽんっ
小さな音と共に硝子が一瞬煙に覆われる
「はっ?」
「なっ…なんで硝子が水着に?!敵の襲撃か!?」
(へ?な、何が起きた?つーか…俺がさっきふと考えた水着…?)
「悟!上の空だとやられるぞ!」
「あ?あ、あぁ…」
(…いや、やっぱり硝子より傑の方が…)
「ハッ!」
(しまった!傑のビキニ姿を想像してしまった!)
ぽんっ
先程同様の煙が傑に纏わりつく
「夏油!」
「くっ…私まで…なんだコレ…!」
「夏油良かったな…下はビキニならなくて」
「あぁ…いや!そんなことより!一体何が起きてる?!」
(…やっぱり傑のが巨乳だったか…良い乳してんな)
ガラッ
勢いよく開く教室のドア
「何してるお前ら!授業を始めるぞ!」
入ってきたのは担任の夜蛾だった
「先生!何者かに襲撃を受けている様です!」
「なんだと…?なんだお前らその格好は…」
「急に服がビキニに変わったんです!」
「何を言ってるんだ…?傑、硝子…」
(いや…いやいや、夜蛾センのビキニは…パス!)
ぽんっ
やはり先程の音と共に同じ煙が夜蛾を取り巻く
「ガッテーム!!」
「ぅげっ…夜蛾センのビキニはパスって言ったのに…!」
「…」
「…」
「悟?なんで君だけ変な格好にならないんだ?」
「そ、それは俺が最強だから…?じゃん?あと無下限…とか??」
「なにか知っている様だな、悟」
「知らねーって!」
「五条!」
「悟!」
「し、知らねーけど!教室入って何か頭にビキニ姿が浮かんできて、そしたら…なんかわかんねーけどこんな事になったんだよ!」
「はぁ?!」
「そんな訳ないだろ!」
「だから俺のせいじゃねーって言ってんだろ!」
「…おい、五条」
「な、なんだよっ硝子」
「いつもの高専の制服思い浮かべてみろ」
「えっ?」
「硝子、意味無いって…」
「待て傑…やってみる価値あるかもしれん、やってみろ悟」
「えー…」
(いつもの高専の制服…?制服…こんなんだっけ?)
ぽんっ
再び煙に包まれる硝子
「…チッ、なんかスカートがいつもより短いけど…まぁ、良いか…このエロ坊っちゃんが」
「エロ言うなっ!」
「ガッテム…やっぱり悟のせいじゃないか」
「悟!早く私も戻せ!」
「お、おう…」
(傑の高専の制服…ワイシャツ…そういや暑いのにいっつもぴっちりボタンしめてて…あの乳じゃ本当はもっとパツパツに…)
ぽんっ
「悟ー!!なんでいつものワイシャツよらろサイズダウンしてるんだ!キツイ!これじゃ…!あっ!」
パーンッ!
傑のワイシャツから弾けた胸元のボタンが悟のおでこに直撃した
「なんだよ!無下限張ってないんじゃないか!」
「すぐるの…おっぱいの威力…すげぇ…デコいってぇ…」
「ったく…こんなキツイの着てられないぞ」
結局いつもの制服姿に戻れなかった傑はキツくなったワイシャツを脱いで机の上に置いた途端、また小さな音がして一番初めに着ていた元の制服のワイシャツに戻った
「なんだ!単に一回脱げば良いのか!」
「おい、私に脱げと?」
「いや!硝子に言ったわけじゃ…」
「まったく…厄介な話だな、授業始めるぞ」
「悟、もう何も考えるなよ」
「…わかってる」
(なんなんだよ!昨日の霊でも憑いてんのか?どんな霊だったんだっけ?そういや祓う最中もなんか言ってたよな?イケメンが憎いとか…クッソ!俺がイケメンでもテメェに関係ねぇだろうが!)
「はぁ…」
(あー座学やってらんねー…頭痛ぇし…休憩になったら自販機にジュース買いに行くか…)
「ハッ!」
ぽんっ
「ぅわっ!さ、悟!!一体何考えたんだ!」
「ご、ごめん!」
突然びしょびしょになった傑のシャツ
「五条…お前変態かよ…」
「うわ、なんかベタベタしてる」
「たぶん…コーラ」
「まったく…」
傑が濡れたシャツを脱ぐとまたすぐに乾いて元のシャツに戻る
「変な呪いだな…」
「五条がムッツリだってことはわかったな」
「ちげーって!なんか急に思い浮ぶんだよ!いつもこんなんじゃねーし!!」
ぽんっ
「〜!…チッ!五条!!」
「ハッ!ご、ごめん!」
ぽぽんっ
急に硝子の服がメイド服になったと思ったら
それがすぐに傑に伝染する
「おい!悟!」
「ごめん!ごめん!ちょっと待って!」
「はー…これじゃ授業にならんな…」
飛び火して夜蛾もメイド服になっているが誰もツッコミが追い付かない
「悟!早く学生服に戻せ!」
「わかってる!わかってるんだけど…!」
ぽんっ
「おい!学生服は学生服でもセーラー服じゃない!勘弁してくれ!」
「うー!ごめんってー!」
「…無理、私もう部屋に避難する」
「今日は部屋で自習とする!」
各々自室に戻ることとなり
五条は昨日の呪霊の詳細を確認しに補助監督の元へ行き資料を読み込む
(なんだってんだ!俺が変態扱いじゃねーか!なんのどんな呪霊だってんだよ!!)
(なに…?コスプレ好きの童貞でデリヘルを呼んでる間に緊張と興奮のせいで心臓麻痺で死んだ霊?)
(くっだらねー!!どうでも良いわ!だから祓う時に『イケメン滅べ』とか言ってたのか!知らんわ!ボケ!)
「傑!」
「…君ね、授業を中断させた元凶のくせによく私の部屋に来れたな」
「俺のせいじゃないんだって!これ見ろよ!」
ぽんっ
「…おい…悟…」
「いや、あの…俺のせいじゃなくて…」
「はぁ…君、趣味悪いぞ?」
「だって!頭にミニスカポリスが…!」
「まぁいい…悟しかいないしな…で?なんだって?」
「この資料」
「あぁ…昨日君が1人で行った任務だろう?」
「そう」
「なに?…ほう…」
「これのせいだって!絶対」
「そう言えば頭が痛いとか言ってたな」
「そう」
「はぁ…珍しいな、君が呪霊に引っ張られるなんて」
「俺もビックリしてるし」
「ま、君もこの間まで童貞だったから好かれたんじゃないか?」
「っ…」
「まぁでも…どうやら悟は私だけじゃなく硝子や夜蛾センでも欲情できるみたいだからね、みんなのコスプレ思い浮かべてたって事だろ?」
「ちっ、ちげーだろ!俺はお前しか…!」
「そうか?むしろ初めビキニにされてたのは硝子だったろ?」
「傑…お前、妬いてんのか?」
「…はぁ…やれやれ…何言ってるんだ…悟、そんな勃たせた状態で…公然わいせつ罪で逮捕するよ?」
「す、傑!!」
ぽんっ
「さとる」
「ごめん!本当に!ごめん!」
「はぁ…ミニスカポリスは飽きて今度はこっちかい…見すぎ」
「ぅわ…すっげ…バニー…」
「バニーじゃなくて逆バニーだろ?これ、ほとんど出てるんだが?君、どんだけ童貞拗らせてるんだ」
「だ、だって…傑の逆バニー…」
「エッチ」
「え…」
「悟のエッチ」
「すぐる…」
「触りたい?」
「う、うん…」
「素直で可愛いね、良いよ…悟、どこ触りたいの?」
「…おっぱい…」
「好きだね、はい…どうぞ」
「傑っ!」
「こら…がっつくな…」
「は、はっ…は…すぐる、すぐる…っ!」
ぽんっ
「君ねぇ…」
「うー…」
「これ、何だっけ?一時期流行ったよねネットで、童貞を殺すセーターだっけ??」
「傑っ!す、すぐるっ!はぁ…はぁ…」
「悟…」
「す、すぐ…」
「すまないね」
「…は?」
悟の延髄近くに手刀を繰り出す傑
完全に気持ちを傑に持っていかれていた悟は一瞬で気を失い床に伏せる
「ふぅ…やれやれ…まったくこんな童貞の呪霊に良いようにされて…」
「うーん…」
「ふふっ…君って意外とベタなコスプレが好きなんだね(笑)」
傑の手刀で気を失った悟から出てきたのか
取り憑いていた呪霊を呪霊玉にして取り込む傑
「まさか君が仕留め損なって尻拭いをさせられるとはね」
しばらくの間、クラスでは悟をからかう為に変なコスプレが流行ったとか
《終》