ルームツアー・アフター ホテル復活記念ラジオは恙無く終了した。途中でペンタグラムシティが停電したりしたが、たまにあることだ。特にここ半年ほどは。
「ON AIR」のネオンが消えたラジオブースで、ルシファーは興奮を顕に拍手を送った。
「いや、凄い。凄いな君は!」
ラジオの放送現場を見るのは初めてではない。なんならラジオ全盛期の時代には、ゲストとして出演したこともある(罪人メディアとは別の、地獄産まれの悪魔が運営するメディアにだ)。全体的にノリが合わなかったので一度しか出たことはないが。そんな地獄の王にとっても、アラスターの手腕は素晴らしいものだった。
豊富な語彙。教養の深さが窺い知れる知識の幅広さ。嫌味と皮肉を交えながらの語り口は流暢であり、声音の高低や強弱を巧みに扱って言葉の印象をコントロールしている。
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