歪んでいない愛などないこの世界には、俺を嫌いな人はそうそういないらしい。
俺の風土、気候、建築物。
俺自身の顔、体型、性格。
そういうのが好きらしい。
けれどこれは楽しくない。
ただ愛されてるだけだと、
俺は甘やかされてばっかりで何も出来なくなる。
だから俺は
「お帰り。今日も死んでないんだね」
ルチアーノと暮らすようになった。
「ただいま!今日のご飯何?」
「お前なんかに教える訳ねぇだろ」
「辛辣〜〜」
「つか自分で作れよ。俺はお前の分用意してないから」
「今日機嫌悪いの?」
「自分で考えろ」
「え〜、酷い〜」
「お前の方が酷いから」
裏世界の皆は怖い。
自分自身を映した者が、みんな、1番怖いらしい。
でも俺は、誰も怖くないよ。
だって俺を、贔屓しないから。
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