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    伊ピちゃん

    愛好伊ピ。伊受けの人です。
    アサフェリの設定だけ置いていく…

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    伊ピちゃん

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    前々〜に書いたフェリちゃんとルチの絡み見たい〜のやつ

    歪んでいない愛などないこの世界には、俺を嫌いな人はそうそういないらしい。
    俺の風土、気候、建築物。
    俺自身の顔、体型、性格。
    そういうのが好きらしい。

    けれどこれは楽しくない。
    ただ愛されてるだけだと、
    俺は甘やかされてばっかりで何も出来なくなる。
    だから俺は

    「お帰り。今日も死んでないんだね」

    ルチアーノと暮らすようになった。

    「ただいま!今日のご飯何?」

    「お前なんかに教える訳ねぇだろ」

    「辛辣〜〜」

    「つか自分で作れよ。俺はお前の分用意してないから」

    「今日機嫌悪いの?」

    「自分で考えろ」

    「え〜、酷い〜」

    「お前の方が酷いから」

    裏世界の皆は怖い。
    自分自身を映した者が、みんな、1番怖いらしい。
    でも俺は、誰も怖くないよ。
    だって俺を、贔屓しないから。


























    「よ〜イタリア……!?!?」

    「おはよ〜フランス兄ちゃん」

    「お前それ……連れてきたのか!?」

    「それって?ルチアーノのこと?」

    「名前あんのかよ……!怖ぇだろ…なんで連れてきてんだよ!」

    「なんか、一緒に行くって聞かなかったから」

    ルチアーノはずっとフランス兄ちゃんを睨んでる。
    赤っぽい髪と帽子のふわふわが風になびいて、なんだか漫画のワンシーンみたい。

    「ルチアーノ、そろそろ会議始まるけど…どうする?」

    「一緒に行く」

    「え〜?いいの?嫌な思いするかもしんないじゃん」

    「いいから早くしろよ…」

    「わかったよ〜怒らないで!」








    「イタリアお前……」

    「今日はルチアーノと一緒だよ!兄ちゃんはナンパ!」

    会議室の空気がピシピシとヒビ割れている気がする。
    緊張感って言うのかな。ルチアーノはなぜかずっとフランス兄ちゃん睨んでるし…。

    「まぁいい…会議を始めるぞ」


    昨日の帰路、兄ちゃんと会った。
    フラフラ歩いてばかりで、仕事なんてちっともしてない。
    俺は兄ちゃんをめっ!って叱ったけど、こう言われたんだ。

    『お前が俺の事愛してるんだったら口出すなよ、見守っとけよ』

    …それは違うんじゃないかな。
    口出さないで悪化したら、兄ちゃんが大変な思いするんだろうし、俺にも被害が来るかもしれない。
    裏世界の兄ちゃんは、ルチアーノをデロデロに愛して甘やかしてたけど、それも愛とは言えないと思った。
    フランス兄ちゃんも、愛の国って言ってるけど、皆を平等に愛しているのは、それは、愛と言えるのか。それはpiaceだと思うんだ。
    イギリスの愛もあまりにも歪みすぎている。
    相手を尽くしすぎても、引かれてしまうだけだと思うんだ。

    依存しすぎず、離れすぎない。一緒に色々なことと戦う。
    それが、俺の愛。
    そうじゃないかな。
    ねぇ、ルチアーノ。

    「……うるさい」

    ルチアーノが、俺の耳元でそう言った。
    でも、目は正直だった。
    少しだけ光がきらきら入ってて、
    うん、そうかもしれないね。って言ってくれてるみたいだった。
    俺は暫く兄ちゃんと一緒に住んでいない。
    兄ちゃんが、家を分けようって、ずっと言っていた。
    だから、俺は、寂しくなって、ルチアーノにすがった。


    「…では今回の会議は終わりだ。資料をよく読み込んでおいてくれ」

    各国が席を立つ。
    ルチアーノは、なんだか、考え事をしていて。数分動かなかった。
    俺は隣で、座って待っていた。

























    「お前の兄に会いたい」

    「……兄ちゃんに?」

    「会ってみたい。今度予定つけといて」

    「わかった………」

    ルチアーノの目は、今日の会議からずっと光が消えていない。
    なんでだろう。何かいいこと思いついたのかな。












    「兄ちゃん!やっと会えた〜…広場の人多すぎ!」

    「…お前は相変わらずだな」

    「ええ!!ねぇそれどういう意味!?」

    「知らなくていいだろ別に」

    「え〜気になるなぁ〜?」

    「…で、なんか用あるんだろ?花でも渡すのか?いらねぇよ」

    「ひとりで盛り上がってるとこ悪いけど、俺は帰るの」

    「…は?じゃあ何が…」


    ルチアーノは俺の服を着ている。
    それがなんとなく、違和感が無くて、ちょっと好きな景色だ。

    「…さいっていだな、馬鹿クソ兄貴!お前こそフェリシアーノのこと愛してるならフェリシアーノが悲しくなることすんじゃねーよそんくらいちっせぇ脳みそで考えられるだろ!?」

    「!?!?ちょ、ルチアーノ!?」

    「はぁ!?!?なんだお前…て、るちあ、え……」

    「兄ちゃんごめん!ルチアーノ行こ!」

    「じゃあね、どうせ変われないクソ兄貴!」

    「ルチアーノやめてよぉ!もう!」


    なんとなく、心の中はスッキリしてた。
    ルチアーノが、俺の愛情表現を肯定してくれたような気がして、嬉しかった。
    やっぱり俺のことは、俺が1番分かってるんだな、って。
    俺の服を着たルチアーノはそのままジェラートを俺の分も買ってくれた。

    「ありがとう」

    「…あんなやつと無理して暮らすことない。俺がいる」

    「でも、イタリアだからしょうがないよ」

    「…別に、イタリアじゃなくなればいいだけ」

    「そんなことできるの?」

    「………神聖ローマだってそうだった、プロイセンも、そうし始めている」

    「へぇー、なんだか難しいけど、俺はイタリアやめないよ」

    「…いいんじゃない、それでも」

    「お前が俺と戦ってくれるだけで、嬉しいよ」

    「ふーん…俺も楽しい」

    「…ふへへ、ルチアーノは優しいよねぇ〜」

    「気持ち悪い1Pカラーだな…」

    「気持ち悪いとか言わないの!」


    俺の愛情は歪んでいる。
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