回帰 僅かに朝焼けの光が差している薄暗い部屋のベッドの上、ふと喉の渇きを覚えたリオセスリの意識が浮上する。
体を起こし、水差しの置いてあるナイトテーブルの方へ移動しようとすると、その体にもぞりと動く白い塊が纏わりついた。
「ヌヴィレットさん?」
共寝をしていた相手の名前を呼ぶと、白い塊―――もといヌヴィレットは返事のようなそうでないような声を漏らしながら頭を揺らした。いつもは整えられている髪が寝癖であちこちぴょこぴょこと跳ねている。
ベッドか抜け出そうとしていると思ったのか腰に腕を回してこの場に引き留めようとする恋人の様子をかわいらしいく思いつつ、水差しを取ろうとしただけだと伝えてみるが、ヌヴィレットは手を放そうとせず、徐に顔を上げてリオセスリの頭を引き寄せた。
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