次回作にご期待ください厳正なる抽選の結果─
冷やかし半分、バズり狙い半分で応募したキャンペーンに当選してしまった。「髙羽の衣装当たって草、と…」
ピコン、と笑顔マークのアイコンからいいねがつく。あーあー、ごめんな?こんな冷やかしが当選しちまって。
住所をDMで送り、数日後。ピンポーン、とチャイムが鳴る。ハイハイ、とドアを開けると目の前が暗くなる。ドアくらい背の高い男が立っていたからだ。配達の帽子を被り、にっこり笑う男。なんか、どっかで見覚えあるような塩顔イケメンだ。
「や、君が──だね」
名前を呼ばれただけなのにぞわり、と背中が総毛立つ。
「ひ、人違いです」
そっとドアを閉めようにも、男の足先に阻まれる。
「いやいや、間違ってないでしょ。だって─」
住所を一字一句違わずに読み上げられ、冷や汗が流れる。なんでこいつ、何も見ずに。
「いやあ、髙羽の熱心なファンだったらどうしてやろうかなって思っていたんだけど、君ひやかしでしょ?じゃあ別にいいかなあと思ったんだけど」
面白くないネタで髙羽を笑い物にしようとするのはちょっといただけないよね。
「やっぱりいらないってさ」
「えー!?なんで!?俺とお揃いのコスチューム…てかなんで羂索が衣装のレプリカ持ってんの?」