アローラレグリが海に行く小話水平線が朝焼けに燃えている。東の空から昇る太陽が海面を煌々と照らし、光の道を映し出していた。息を呑むような風景が、今俺たちの眼前に広がっている。
観光地から離れた場所にあるこの砂浜は観光客も寄り付かず、早朝の冷えた空気と共にしんと静まり返っていた。聞こえるのは寄せる波の音、そして遠くから響く船の汽笛だけ。
「……なんか、夢みたいな景色だな」
「うん、頑張って探した甲斐あったね」
アローラに来たからには綺麗な海を見たいというのは俺のリクエストで、ポケモンと海に入りたいというのはレッドのリクエストだった。しかしアローラの観光客向け海水浴場はどこも人でごった返しており、とても手持ちポケモンを全員出して遊ばせてやれるような環境ではなかったのだ。
959