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※今回の特異点
・先天性女体化埋れ木一郎くん!
・キャラ崩壊しております。此処は遊園地。捏造多数。これは幻覚。
・伯爵や住んでる地域は全て幻覚です。
・CPはストアエ♀と伯アエ♀です。三世くんと一郎くん♀は友情です。
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(海辺の町で伯爵を目にし、殆どの記憶を取り戻した一郎は、一旦伯爵に会いに行くことにした。)
魔界へと繋がる門を開いた先は、赤砂の砂漠だった。一寸先も見えぬ程、砂塵が吹き荒れている。門を潜るのを躊躇するメフィストを差し置いて、一郎は砂地に足を踏み入れた。久し振りと思うには余りに遠い。靴に砂が入るのも構わずに歩き出した。メフィストも「おい、待てよ」と悪態を吐きながらその後へと続く。
視界が悪い中、一郎は迷いなくその建物を見付けた。しかし近付くにつれて一郎はその姿に眉を顰めた。宮殿の塀の周りを、茨が茂っている。以前はこんなものは無かった。しかしそこまでならば城の模様替えでもしたのだろうと気にしないが――その姿が異様過ぎた。アエシュマ時代の一郎によく似た幼子が、茨のそこかしこに絡まって死んでいる。思わず一郎の歩みが止まってしまった。
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