ガヤガヤと騒がしい店内は、平日の昼間だと言うのに外よりも暗く、壁一面に並ぶダーツマシンが煌々と主張をしていた。
今日は久しぶりのデート。映画を見に行く予定が、昨晩少し張り切り過ぎた所為で寝坊してしまい、本来見る筈だった時間に間に合わず今に至る。次の回まで何をして時間を潰そうかと思案していた所、悠仁に誘われやってきたのはここ、近くにあった漫画喫茶だった。
「おっしゃー! やったー見て先生! 真ん中当たった! 五十点!」
三投目を投げ終わり、嬉しそうにはしゃぎながら振り返り僕の元へと悠仁が駆け寄る。
何やら前に恵達と一緒にラウンドなんちゃらに行ったらしく、色々遊べて楽しかったんだとか。ここの漫画喫茶もパソコンが使える個室の他、カラオケやビリヤードといったアミューズメントが併設され、暇つぶしにもってこいの場所だった。
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