両片想いがいちばん楽しい、なんて聞いたことがあるけれど、付き合いたてというのもなかなか楽しい時期なんじゃないかと思う。だって、頬を染めて眉を寄せながら「好きです」と言ってくれた表情も声もまだしっかり脳に焼きついていて、思い出すだけでかぁっと頭に血が上るほど恥ずかしくて、でも、信じられないくらいにしあわせだから。
そんな、誰にも言えない感情を抱えたまま浮かれた私に更なる追い打ちをかけようとするのは、やっぱりジュンくんだった。
迷惑だったら、言って欲しいんですけど。そう前置きされた後に送られてきたメッセージを既読がつかない形で確認してから、もうどれくらいの時間が経っただろう。……だって、「ふたりきりで会いたい」なんて、そんなの。いまだ、告白してくれた時のことを思い返しては真っ赤になって、ちょっとしたメッセージのやり取りが楽しくて、たまに仕事で見かけるだけでちょっとぼんやりしてしまう私には、少しだけ刺激が強いような気がする。……でもやっぱり、うれしいのはうれしい。当たり前に。
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