海辺とラーメン 食堂の屋根の下、海からの風がゆるやかに吹き抜けていく。眩しい陽射しに温められ、白い砂浜からの照り返しを受け、からりとした熱を含んだ風だった。天井のすみで、扇風機が寡黙に首を振っている。
「暑い……でもおいしいな……! 海の家で食べるラーメンってどうしてこんなにおいしいんだろう……」
「そうだねぇ、おいしいね……。今日は朝から泳いだり、ビーチバレーしたりして汗をかいたもんね。その汗と一緒に出ていった塩分を補給するために、塩分の多いラーメンが……」
仲がいいカーシーとジャンバヴァンは、積極的に箸を動かしたりれんげを使ったりする合間にあれこれと言葉を交わし合っている。ジャンバヴァンの視点はさすが理系の研究者といった風で思わず笑ってしまった。
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