それはまるで祈りよりもかすかな。
願いがうねりとなって、私たちに広がって、ささやかな愛が芽生える。
その愛を手繰っては飲み干す、そしてまた口に含む。
あなたと分かち合い、あなたと交わって、一緒になって、永遠を歩いて。そうやって私たちは少しずつ歩んでいくのだろう、そんな予感がしている。
私のまっしろな自室で私たちは寄り添っている。愛を語らった後のこの空間はほのかに温かく、僅かに色付いて見えた。狭いベッドに私たちは潜り込んで、行為のあとの甘やかな言葉を舌に乗せている。
「チャティ」あなたを呼べば、「ビジター」と返る声が聞こえる。布団の中に潜り込んで、あなたの胸元に胸を埋めれば、体温のそれとは異なる、しかし温かな感触が皮ふを通して伝わった。心臓の音はしない。代わりに細かに機械の音がする。これも〝あなた〟らしくて、私は好きだ。それはいのちの音だった。
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