切っても切れない❇︎ ❇︎ ❇︎
「丁仙、爾子又」
“ご先祖様”が呼んでる。そう気付けば、私は片割れの爾子又と手を繋いで祠の前に出た。爾子又は妄想癖が激しいから、私が手を繋いで引っ張らないと現実を見ない。私たちが“ご先祖様”の前までやって来ても表情を変える事はなく、声色だって変わらない。淡々とした口調でお話しをしてくる。
「お前たちは下弦でありながら使命を忘れ、しかし結果を献上してくる。進化せず、変わろうともせず、いつまでも無知な子供のままでいる。現に私に首を垂れることがない。何故だ?」
「だってご先祖様のことがだいすきだもの」
「だってご先祖様の事が大好きだもの」
「これっておかしな事?」
「全然おかしくないよ」
「そうよね、周りが変なだけよね」
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