ゲッベルス、袖口から登場。
ゲッベルス「ああ所詮僕は愚かな人間」
ゲッベルス「だが、ああ、その愚かさこそが、ああ、ああ、愛おしいのだ……」
ゲッベルスがヒトラーの袖口に頬擦りする。
ゲッベルス「僕という人間はあなたによって規定される一つの不確かな現象でしかない、ああ、アドルフ・ヒトラー!」
ゲッベルスは指を振ると、ヒトラーの周りで、ゆっくりと、不器用にスキップをはじめた。
ゲッベルス「アドルフ・ヒトラー……稀代の天才、あるいは悪魔、英雄、神、救世主」
ゲッベルス「馬鹿みたいに踊ってたっていい、彼の手の上で!彼は天才だからだ、そうだ。そうだ、彼は天才だ!僕はその第一の従属者」
ゲッベルスは観客席の方を振り向き、両手を高く上げる。
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