ハロパロ /未完むかしむかしあるところにもう千年と生きた最強の吸血鬼が森の奥の屋敷にひとりぼっちで住んでいました。その吸血鬼は左目には呪われた火傷があります。決して近づいてはいけません。
「なあにが最強吸血鬼様だ」
「悪い、カツキ」
「ほんっっっとに、散らかすだけ散らかしやがって」
もう100年以上前のことである。狼男のカツキは自我が芽生えてから強くなることに執着していた。いつか最強の吸血鬼様とやらに打ち勝つと鼻高々に話していた。しかし、その吸血鬼様には誰も会ったことがなければ、会いに行かない方がいいとまで言われていた。
カツキの母親であるミツキもさすがに吸血鬼のところへは行かすまいとなんとかカツキの気を逸らそうと頑張っていたが、その努力は儚く散っていくのであった。
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